3月はこれまでの場所から巣立ち、旅立つ季節。今いる場所から飛び立ったあとには、これからの人たちが控えています。たとえば、自分の身が滅びてこの世から消えてしまったら? そうなったとしても自分のあとを生きる人たちに必ず聴いて欲しい、ずっと残して伝えていきたい。大切な音楽を、次の人たちへバトンを渡すように伝えていきたい。そんな「バトンミュージック」のプレイリスト。
そんな「バトンミュージック」を紹介してくれるのは、TOKYO FMグループミュージックバード『大西貴文のTHE NITE』のパーソナリティーとして活躍する大西貴文さんのMIXTAPEです。
Stevie Wonder『Isn’t she Lovely』
スティーヴィー・クラシック。1975年4月7日にスティーヴィーとヨランダの間に生まれた愛娘アイシャ・ザキアを歌った愛でいっぱいなナンバー。76年リリース名盤『Songs In The Key Of Life』から。アルバムバージョンにはアイシャの鳴き声も。今回のテーマ『バトンミュージック』にふさわしく、もっと言うとこのアルバムは『22世紀にまで伝えたい名盤』でもあります。
Donny Hathaway『Love Love Love』
1945年10月1日アメリカ・シカゴ出身のシンガー・ソング・ライター。70年代のニューソウルアイコン。70年にソロデビュー。73年のヒットのこの曲はJ.Rベイリーのカヴァー。79年に自ら命を絶ってしまいましたがこれまでに多くのアーティストに影響を与えています。娘はLalah Hathaway。DonnyのDNAをしっかりと受け継いでいます。
Al Jarreau『Never Givin’ Up』
1940年3月12日アメリカ・ミルウォーキー出身のジャズシンガー。75年デビュー。80年の名盤『This Time』から。プロデュースはJayGraydon。FlugelhornでJerry Heyも参加。AORな一曲に。ソフトで伸びやかな歌声にスキャットも魅力的なAl Jarreauですが残念ながら去る2月12日、76歳で亡くなられました。
EW & F『In The Stone』
アフリカ系アメリカ人によるファンク/ソウル/R&B/JAZZ バンド。70年代〜80年代にディスコブームに乗ってヒットを連発。この曲は79年リリースのアルバム『I Am』から。David Foster、TOTOのメンバーのサポートでコンテンポラリー〜AORな雰囲気でポップな作品となりました。特にこの曲はキラキラした爽やかなナンバーでこれからもラジオでかけ続けたいそんな一曲です。
Boz Scaggs『Jojo』
AORと言えば。。。で必ず名前を見かけるアーティスト。1944年6月8日アメリカ・オハイオ出身。名盤といわれるアルバム多数ありますが80年の『Middle Man』もそんな彼の代表作でそこからの一曲です。ギターでRay Parker JrとSteve Lukatherが参加。David Fosterのリズムアレンジも見事です。
Bobby Caldwell『Love Won’t Wait』
ミスターAOR Bobby Caldwell。日本で人気の高いシンガー・ソング・ライタ—。1stアルバム『イブニング・スキャンダル』から。気持ちのいいストリングス〜ギターワーク、サックスプレイも最高です。What You Won’t Do For Love 風のシルエットの方が日本では有名ですが当時シングルのB面だったこの曲もオススメです。
Leon Ware『Why I Came To California』
アメリカ・デトロイト出身のソウルシンガー/作曲家/プロデューサー。72年Michael Jacksonに提供したI Wanna Be Where You Are、Marvin Gayeへの提供I Want Youほか多くのアーティストに楽曲提供。メロウな曲が印象的。82年のアルバム『LEON WARE』(邦題 夜の恋人たち)から。マンハッタン・トランスファーのJanis Siegelとの共作ナンバー&デュエット曲でロマンティックなナンバーです。残念ながらLEONも先日77歳を迎えた後に亡くなられています。
Anita Baker『Sweet Love』
アメリカのR&Bシンガー。70年代終わりから80年代初頭にかけてCHAPTER 8のリードシンガーを経てソロへ。86年のアルバム『RAPTURE』から。クワイエット・ストームな作品で31年前の楽曲とは思えないくらい何度聴いても新鮮でドラマティックなナンバーでこのアニタも次の世代にバトンで渡したいアーティストの一人です。
Quincy Jones『At The End Of The Day (GRACE)』
アメリカのジャズミュージシャン/音楽プロデューサー/作曲家編曲家。1950年代から第一線で活躍し続けている。今年の3月12日で84歳。数え切れない位の名曲がありますが今回は95年のアルバム『Q’s Jook Joint』から。フィーチャーアーティストはヴォーカル、Barry White & Mervyn Warren、ハーモニカToots Thielemans。特にトゥーツのハーモニカが絶品です。
PROFILE
大西貴文
TOKYO FM 静岡K-MIX他で番組を担当。現在はTOKYO FMグループミュージックバード『大西貴文のTHE NITE』(月〜金21時〜23時55分生放送)の構成/選曲/DJ。その他DVD『岸道』(地球丸)シリーズ、DVD『カナモスタイル』(ワンワークス)シリーズ他TV、ラジオナレーション多数。
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