SILENT SIRENが5月24日、EMI Records移籍後第二弾シングル『AKANE / あわあわ』をリリースした。今作はダブルAサイドシングルで、サイサイを世に知らしめる貴重な作品となることは間違いない。そして、6月から始まるワンマンツアー『新世界』は最終日に武道館2daysが決定していて、「どこまで行くんだ、サイサイ!」てな感じで、2017年はサイサイイヤーになると言っても過言じゃない! そんな4人に現在の近況と彼女たちが見据える、これからのサイサイとしての在り方を語ってもらった。
Photography_KENTARO HATTORI
text_真貝聡
Edit_司馬ゆいか
「じゃあ、やらないといけないな」って思わされました
――『AKANE / あわあわ』は移籍第2弾シングルになりますね。レコード会社を移ったことで、どのような変化がありました?
すぅ : 大まかなことは、そんなに変わってないんですけど……スタッフさんが制作に関して、一生懸命に案を出してくれるようになったと思います。「これはどういう気持ちで作ったのか」とか「どういうときに演奏しようと思っているのか」とか。「今後のサイサイ(SILENT SIREN)をこう言うビジョンで目指しているので、こうしたい」って言ってくれるので、「私たちも頑張らないと!」って気合いが入るし、自分たちだけでやっている感じは前よりなくなりました。
――いろんな意見を言われたことで、気づいたことは?
すぅ : 今作で言うと、3曲目に収録している『Kaleidoscope』。私たちは出だしのキメ部分がカッコイイと思ってたんですけど「キメがあることで、聴いている人は止まっちゃう」と言われて、「え! そうなんだ」って。客観的な意見を言われたことで新たな発見ができたり、逆に自分は絶対こっちがイイと思っていることは真っ向からぶつけたりします。そうやって、お互いの意思表示を確認しながら進んで行ってる感じです。
Gt./Vo. すぅ(吉田菫)
――楽曲制作以外で変わったことは?
あいにゃん : ひな(ひなんちゅ)は基礎レッスンを始めたよね。
ひなんちゅ : バンド結成から、ドラムは誰に教わるでもなくずっと独学でやってたんですよ。それでOKだと思ってたんですけど、移籍してドラムの良くないところをちゃんと指摘されて。「ドラムの基礎をやった方がイイ」っていう言葉をもらいました。
――ドラムの基礎というと?
ひなんちゅ : スティックの持ち方とか、スネアのどこを叩くかとか、高校1年生が軽音楽部で習うようなこと。移籍してなかったら、やってなかったと思います。
――これまでは「ドラムのココを直したほうが良い」って指摘をされなかったんですか?
ひなんちゅ : 前までは「よくわからないけど、今日は音が良くなかったね」みたいな抽象的なアドバイスが多くて。それって私からしたら「具体的にどう言う事なんだろう?」みたいな感じで。EMIの方はいろんなミュージシャンを見ているから、アドバイスに説得力があるというか。「じゃあ、やらないといけないな」って思わされました。
Dr. ひなんちゅ(梅村妃奈子)
ミュージシャンだとは思いますけど、芸能人ではないんですよね
――サイサイの活動を振り返ると、7年のキャリアでは考えられないほど知名度を上げているし、ライブの規模も大きくなっています。そこまで支持されている理由はなんだと思いますか?
ひなんちゅ : ドカーンと売れてないからじゃないですか。デビューしてすぐに映画の大型タイアップとか、アニメやドラマの主題歌を担当するバンドってたくさんいると思うんですけど。私たちはそうじゃなかったんですよ。
――じゃあ、サイサイの場合はどうなんでしょう?
ひなんちゅ : サイサイってお客さんと一緒に成長しているバンドなので「今日はココでライブをしてるけど、もっと大きなところでライブをやりたい」って……なんかこう、もがいている時間が長いので、応援しようと思ってくれているんじゃないかなって。あとは、お客さんとの距離感が近いんですよね。デビューしてから、今でもイオンモールでリリースイベントをやっていて、ハイタッチ会に来るお客さんの名前やどんな話しをしたのか覚えてるし。あんまりそういうバンドはいないんじゃないかなって思いますね。
――イベントと言えば、先日は運動会(『サイサイ! 体育祭! part.2』)をやってましたね。
ひなんちゅ : はい。ファンの人と混じって運動会を楽しみました。
体育祭来てくれたみんなありがとう!!
楽しかったなぁ(o´ω`o)
一緒に頑張って、応援して、笑って、もうみんな一等賞!!
ありがとう!!❤ pic.twitter.com/c9tKDTXPmn— 黒坂優香子(SILENT SIREN) (@kurosakayukako) 2017年4月16日
――何人ぐらいが参加したんですか?
ひなんちゅ : 10代〜50代までの男女合わせて200人弱が来てくれて。そんなことをやるバンドっていないと思うし、これからもやりたいなと思ってて。次はファンのみんなでハワイへ行きたいなって。
――ハワイのイベントは斬新ですね。
ひなんちゅ : そういう音楽性とは違った夢もあるのが、バラエティに富んでいて、エンターテイナーとしては新しいと思いますね。
――バンドが知名度を上げていくに従って、ファンとメンバーの距離はだんだん離れていきやすいけど、サイサイは常にファンとの距離が変わらないからスゴイですよ。
ひなんちゅ : 私たち自身が、ファンと距離が離れていくことを想像できなくて。電車だって普通に乗るし、私生活が変わらないからこそリアルタイムでみんなと同じ時間を共有されている感じ。ライブが終わって、帰りの電車がファンの人と一緒だったりするんですよ。
Key. ゆかるん(黒坂優香子)
――うわぁ、めっちゃ気まずいですね。というか、帰りはバスで送ってくれるんじゃないんですね。
ひなんちゅ : 全然! 日によるけど、普通に電車で帰ります。自分たちのことをミュージシャンだとは思いますけど、芸能人ではないんですよね。
――ひなんちゅさんにとって芸能人はどんなイメージ?
ひなんちゅ : 私が思っている芸能人というのは、電車にも乗らないし、出待ちがスゴイいてスタッフに取り押さえられながら「キャー」みたいな(笑)。
――あははは、ワイドショーでよく見る光景だ。
ひなんちゅ : 実際はウチらがファンを見つけて、「やあ!」って声をかけることもあります。
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