大阪出身のピアノ・ロックバンドとして、唯一無二の存在感を放つSHE’Sが6月21日にミニアルバム『Awakening』をリリースした。松井玲奈×新川優愛のW主演で話題の映画『めがみさま』の主題歌に「Ghost」が抜擢されたこともあいまって、更なる注目と賞賛を浴びた1stアルバム『プルーストと花束』からわずか5ヶ月という超ハイペースなリリース。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いの4人に現在の心境と、メジャーデビューから1周年を迎えて見えてきた今後の目標について聞いた……って、今回はそれだけじゃない! 彼らのことをより深く知るために、ツイッターで募集した質問を答えてもらうコーナーも設けました! 果たしてどんな質問が、どんな回答が炸裂したのか、とくとご覧あれ!
Photography_DOZONO HIROYUKI
Text_真貝聡
Edit_司馬ゆいか
「絶対的に楽曲が良いから」っていう自信がある
――作品を立て続けにリリースして、多くのライブにも出演して、本当に目覚ましい活躍ですね。
井上竜馬(以下、井上) : そうですね。アルバムの制作やったり、リリース前の取材やったり、ライブもやったりで意外と充実してます。
――息抜きってされるんですか?
井上 : フグとかですか……?
――それは毒抜きですね。
広瀬臣吾(以下、広瀬) : ヘビのことちゃう?
――それも毒抜きです。……仕事の疲れを抜くために何かしました?
井上 : この間、プライベートで1週間ほどイギリスへ行ってました。
――それはメンバーと?
井上 : 1人で行きました。海外に行くのは2回目ですね。
Vo. / Key. 井上竜馬
――1人きりの海外旅行って不安はないですか?
井上 : 不安はなかったです。1回目に行ったカンボジアが怖すぎたので、イギリスは大丈夫でした。
――カンボジアではどんなことがあったんですか?
井上 : 路地のようなところに連れて行かれてお金を巻き上げられました。
――大事件!!
井上 : そんなことがあったから、僕からしたらイギリスは全然平気でした。だいぶ、アーバンな雰囲気を満喫しましたね。
木村雅人(以下、木村) : 息抜きか……まだ上京して間もないので、いろんな場所へ出かけてます。
――どこへ行きましたか?
木村 : えっと、あの、ん〜……。
広瀬 : 言うんやったら、言えよ(笑)。
井上 : 嘘か? 嘘をついたのか?
木村 : いやいや! 行ったのはですね、恵比寿、代官山、原宿、表参道、新宿。買い物をするわけじゃないんですけど、観光気分で色んなお店へ行きました。
井上 : 来日した海外タレントと一緒やん。
――東京は自分の肌に合ってますか?
木村 : そんなに違和感みたいなのはないですね。
Dr. 木村雅人
――ところで、SHE'Sにインタビューをするにあたって、過去の記事を調べたんですよ。そしたら、早くから多くのメディアで取り上げられていて驚きました。
井上 : 早くから、そんなに取り上げられとったんや……。
――早いと思いますよ。記事で取り上げられてるだけじゃなくて、2014年にはタイアップも決まってるし。そこまで注目されている理由ってなんだと思いますか?
井上 : メジャーになってからは実感してますけど、インディーズの頃も注目されていたかっていうと分からないですね。
広瀬 : でも、その時(インディーズ時代)から取材してもらってるんちゃう?
井上 : 絶対的に楽曲が良いからっていう自信があるし、今の邦楽バンドシーンとは一線画してると思っています。その要素として、ルーツの洋楽っぽさを感じるメロディラインとか、サウンドスケープやったりとか、(服部)栞汰のハードロックっぽさだったりとか、あらゆる面で邦楽ロック好きにも、洋楽が好きにも聴いてもらえる音になってると思います。狙ってはないですけど、オイシイところを行ってるハズやから取り上げられて当然かなぁ。
広瀬 : だいぶ大口叩いてるんで、ちゃんとそこも書いといてください(笑)。
――ふふふ、わかりました(笑)。SHE'Sのインタビューを読むと、自分たちが出したい音を提示して、それにリスナーが食いついたというよりは、インディーズ時代から、大衆に届くための曲作りを意識していたのが強みなのかなって思うんですよね。
広瀬 : それは単純に僕らもそっち側のリスナーやからっていう。完全にポップス寄りな耳をしてるので、そうなってしまってるのかなと思います。
――ちなみに、広瀬さんが尊敬してるバンドっていますか?
広瀬 : 尊敬するバンドか〜そやなあ……。
Ba. 広瀬臣吾
井上 : (広瀬は)いつでも自分がNO.1やからな(笑)。
広瀬 : そやな。そういたいと思う。
井上 : NO.1だから、他人を気にする必要ないもんな(笑)。
広瀬 : もうやめとけ(笑)。自分らより上の人はたくさんいらっしゃいますけど、誰やろう? 特にどの人っていうのがなくて、いろんな人に目が行くんですよね。その時々で変わるので、あんまり定まってないですね。
――今は誰に目が行きますか?
広瀬 : 今は……ザ・イエロー・モンキーですかね。長いブランクを経て復活して、それをまったく感じさせることのない素晴らしいライブをされるところと、最近リリースしたベストアルバムで全曲を新録したのがすごいなって。常に新しい方向へ進んで行く姿勢を尊敬してます。
この曲で、この出で立ちで、MCもバチバチに決めとったらイヤらしい
――ちなみに、SHE'Sはメジャーデビューして1周年を迎えましたけど、メジャーへ行って意識は変わりました?
井上 : これからが獣道だっていうのは、1年ですごい感じたよな。
広瀬 : うん。
井上 : メジャーデビューをして喜んでるのって、マジでぬるいなって思いますね。実際、僕もデビューしてすぐは喜んでましたけど、ここからが獣道、いばら道、えっと……。
井上 : あかん、もう1個でてこない。
服部栞汰(以下、服部) : 言わへんねや。
――意識が変わったのは、何かきっかけがあったんですか?
井上 : 去年、夏フェスでいわゆる第一線で活躍しているバンドと一緒に対バンさせてもらったのが大きいですね。正直、自分たちのライブとは全然違うなと思いました。ライブのカッコ良さにおいて差を見せつけられる場面が多くて、悔しい思いをしました。そんな気持ちになったのは今までで一番かも。あと、今年の春に全国ツアーを回れたのも大きかったです。
――メジャーへ行って、第一線で活躍しているバンドと対バンした以外に変化はありました?
井上 : 環境ですかね。インディーズの頃にはなかったSHE'Sというバンドを取り巻く色んな人によるチームが1年間かけて出来たのが大きな変化やったし、レコーディングの環境においても一緒で、僕たちだけでやっていないっていうのは強く感じますね。
――ドラマの主題歌やテレビ出演もしたことで、いわゆるロック畑にいない人の目にふれる機会も多くなったわけじゃないですか。今までにない反応とかありました?
広瀬 : 「意外と喋りは奥が深いな」って(笑)。
井上 : 喋りに関しては、人によって反応がバラバラなんですよね。俺がMCでラフに喋ってボケたりすると「MC最高!」って言ってくれる人もいれば、「(鼻声で)MCをもうちょっと頑張ったら良いのにね〜」って言われたり。
広瀬 : モノマネ入ってるけど、誰かわからへん。
井上 : バンドの色を作り込むのが好きな人もいるけど、僕らはラフな感じで。だって……この曲で、この出で立ちで、MCもバチバチに決めとったらイヤらしいって思っちゃうんですよ。「(カッコつけながら)みんな、今日はありがとう。最後までヨロシクね!」って。
――さっきから誰のモノマネをしてるんですか(笑)。
井上 : せっかく大阪出身やし、喋れるんで、今のところ自然体でいれば良いかなって。のちのち「(再びカッコつけて)みんな、行こうぜ!」ってやるかもしれないけど。
広瀬 : それをしたらチームのみんなに言われるよな。
井上 : そうそう。とりあえずはコレでええかな。
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