異質で、異端で、唯一無二なロックバンド・アカシック。そんな彼女たちが6月28日に2ndシングル『オレンジに塩コショウ』をリリースする。これまでの楽曲には珍しく、夏をテーマにした中毒性たっぷりなラブソングだ。新曲についての話を交えつつ、℃-ute、吉川友さん、ばってん少女隊、バンドじゃないもん、など多くのアイドルから楽曲提供のオファーが続く理由についても聞いてみた。
アカシックはキテいる。「何を今さら……」と言われそうだけど、今回のインタビューの結果、より強く感じざるをえなかった。
Photography_TAKUMA TOYONAGA
Text_真貝聡
Edit_司馬ゆいか
男性の携帯番号をそのままタイトルにしてたんです
――新曲『オレンジに塩コショウ』は、去年6月25日に行われた東京キネマ倶楽部でのワンマンで初披露した曲ですね。
奥脇達也(以下、奥脇) : そうです。
――アカシックで夏の曲って珍しいですよね。
奥脇 : 1曲だけしかないもんね。
山田 : 『スーパーサマーライン〜消えたはずのセレブのあいつ〜』か。
――少女の混乱した恋愛模様を『オレンジに塩コショウ』と例えたのは驚きました。この発想はどこから?
理姫 : ただ思いついただけで。最初の仮タイトルは私の男友達っていうか、男性の携帯番号をそのままタイトルにしてたんです。だけど、それじゃあ発売できないだろうってことで。
一同 : (笑)。
理姫 : 携帯番号をタイトルにするのは、いつかやりたいんですけど……その時は本人に「使っていい?」って聞いて。
奥脇 : 多分ダメだろ。
理姫 : と、まあ携帯番号はダメだろうなと。考え直した時に、夏と言ったら私は太陽のイメージだからオレンジ色は浮かんできて。塩コショウは、目玉焼きに塩コショウをかけるのが好きなので。
理姫(Vo.)
――曲の題材はどうやって見つけるんですか?
理姫 : 生活していれば、普通にストレスは溜まるじゃないですか。それが全部歌詞になっているだけなんで、私。良いことも悪いことも、その日の気分。「今日は暗い歌を描きたいな」と思ったら暗い歌詞になるだろうし、「ハッピーな歌を書きたい」と思ったら明るい歌詞になるっていう、本当に気分屋なんですよ。だから、たまたま今あるデモに歌詞を乗せる時に自分から溢れてた言葉を書いただけなんです。
――夏の曲にたまたま、夏の言葉が乗っかったと。
理姫 : そうですね。アカシックは歌詞と曲がハマらないこともあれば、ハマるときもあって極端だと思うんですけど、これは両方がハマったんじゃないですかね。
――アレンジについてはどんなところがポイントでしょうか?
奥脇 : アカシックの曲って全部何かをやってやろうって気概があって、突拍子のないことをやりたくなるんですけど、これはデモを作った時点で何のそれもなく。結構シンプルなんですよね。
山田 : わかりやすい感じになってると思いますね。
奥脇 : テーマが夏だからね。夏にそんなごちゃっとした曲は……。
山田 : そうだね。ドラムもそういうイメージで叩きました。
山田康二郎(Dr.)
――今までのアカシックって曲調から夜の印象があったんですけど、今作は健康的で晴れやかさが出てますよね。
山田 : 狙い通りっすね。
――ジャケット写真も今までと一新して。
理姫 : これは九十九里浜で撮影して。私は湘南が良かったんですけどね。
山田 : あははは、そうだったんだ(笑)。
理姫 : 写真になれば分からないかもしれないですけど、私は湘南が良かった。
――湘南に何か思い入れがあるんですか?
理姫 : 私、横浜出身で神奈川県が大好きなので。神奈川で海と言ったら湘南なんですよ。湘南の方が良い意味でチャラいイメージ。(笑)
――他の曲についてもお聞きしたいんですけど、2曲目の『ブラック』はいつ頃の曲なんですか?
理姫 : これは、シングルのために新しく作りました。『オレンジに塩コショウ』は今までのアカシックのイメージと違うんですよ、私的には。いつもは良くも悪くもメロディにクセが強かったんですけど、今作はサビのメロディがストレートだし、1サビ、2サビ、最後もシンプルだから、私はちょっと物足りなさがあって。『8ミリフィルム』を好きになってくれた人がすごく多かったので、あの曲を好きだって言ってくれてアカシックのイメージを持ってくれている人に「好きな曲がもう1つ出来た」って思ってもらえるような曲を作りたいと話し合って『ブラック』を作りました。
――3曲目『エンドオブザワールド』はインディーズ時代の曲ですね。
奥脇 : この曲は、アカシックを組んだ時に作りました。前々から出そうと思っていたんですけどタイミングが合わなくて、流れ流れて今になりました。
――最近だと今年3月に赤坂BLITZでやったワンマンの時に披露していました。
奥脇 : そうですね。アカシックを結成当初から聴いてくれているお客さんがいるんですけど……その人たちに向けて、サービス的な気持ちでやりました。
山田 : 俺は元々サポートをやっていたんですけど、その頃から一番好きな曲で。
奥脇 : え! そうなんだ。
山田 : だってライブの時にやりたいって言ったじゃん。
――どこに惹かれたんですか?
山田 : 当時のアカシックぽいなと思ってました。ただただ好きだっていうのが強かったです。
――今作はアカシックの新旧入り混じった3曲が収録されています。改めてどんなシングルだと思いますか?
奥脇 : バンド史上、一番明るいんじゃないですか。あとは前作と比べてサクッと楽しめる1枚になっていると思います。
奥脇達也(Gt.)
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