現役女子高生アーティスト、吉田凜音を大解剖!
SKI-HI(AAA・日高光啓)が「才能の塊なので、早めに世の中に見つかって欲しい」と語るなど、第一線で活躍する音楽家たちが賛辞を送る現役女子高生アーティスト、吉田凜音。
突如Youtubeにアップされた「りんねラップ」が話題になった。
真冬のオオカミくんには騙されない みてくれたみなさん 本当にありがとうございました!! 応援してくれた皆さん好きです好き とてもいい思い出になりました みんなとの時間忘れないぞ!楽しかった! 🐺🐺🐺🐺仲良し pic.twitter.com/gM3v1bNdK8
— 吉田凜音 (@rinne1211) 2018年3月25日
「真冬のオオカミくんには騙されない」(AbemaTV)では一途な姿に心を打たれた人も多いはず。
ラップのみならず、バンドのヴォーカルやシンガーもこなし幅広いジャンルを横断する一方、メイクやファッションセンスも注目を集め、ティーンに絶大な影響を与えている。さらには女優として映画の主演も果たし、ライヴではバックダンサーとともにダンスも踊る。
歌、ラップ、ダンス、ファッション、演技。若干18歳で、各シーンの最前線を走る吉田凜音。生まれ持った才能という他ない多才っぷりなのだけど、一体なにがどうなって、吉田凜音は吉田凜音になったのか。彼女をつくりあげたルーツや、大切にしているモノについて、話を訊いた。
札幌とライジングサン。
吉田凜音 : 幼稚園ぐらいの頃から、「ライジング・サン・ロックフェスティバル」や「ジョインアライブ」など北海道の大きいロックフェスに家族みんなで泊まり込みで行っていました。両親はふたりとも音楽が大好きで、家の中でも車のなかでもいつもわりと爆音で音楽が鳴っていて。かかっていたのは東京事変やELLEGARDENとかのロックバンドの音楽がほとんどです。
幼少期の凜音さんとお母さん(本人提供写真)
ーー音楽の原体験は文字通り物心ついた頃から。なんと幼稚園時代(!)からロックフェス通い。毎年すごく楽しみにしていたらしく、当時のことも鮮明に覚えているのだそう。
吉田凜音 : よく覚えてるのは、木村カエラさんや椎名林檎さんのライブを最前列で観たこと。カエラさんは、小さい子が座ってる、って私をみて微笑んでくれたり。
ーーラップのイメージが強かったので原体験はロックだと聞いて意外だったが、聴く音楽は今も変わらないそう。
吉田凜音 : 普段聴く音楽も、両親の影響を受けています。小さい頃は、歌詞の意味だったりも理解できておらずキャッキャ言ってただけなんですけど、中学生ぐらいからしっかり聴き始めて、東京事変さんの凄さにあらためて気づいて。今日持ってきたのは、いつも聴くアルバムやDVD。「椎名林檎」「東京事変」「くるり」の好きな曲が入っているものです。特に好きな曲は東京事変さんだと「透明人間」と「スーパースター」。くるりさんだと「ハローグッバイ」です。
上:椎名林檎『座禅エクスタシー(DVD)』左:東京事変『DYNAMITE OUT!(DVD)』 右:くるり『Tower of Music Lover』。
休日と放課後。通いつめたスクール。
ーーご両親によるゼロ年代ならではの英才教育によってはやくも音楽少女となった凜音さん。小学校入学後には、さらなる音楽への扉がひらかれる。
吉田凜音 : 両親がかけていた音楽で踊るのが大好きで、お母さんが「ダンス、好きなんじゃない?」ということでいちど体験レッスンに行ったんです。そのときに受けたダンスレッスンがすごく楽しくて、小学1年生からスクールに行きはじめました。
同校出身のDa-iCE・工藤大輝さんの特別レッスンを受けたときの写真(本人提供)。「当時は日本語の喋れない小学生みたいな感じでワー!ギャー!って騒いでただけなんですけど、優しく接してくれて嬉しかったことを覚えています」
吉田凜音 : スクールは、はじめから凄く楽しくて。歌やダンスだけでもいろんなジャンルがあるし、演技、アクションも学べるんです。ダンスから習い始めたのですが、全部やってみたくて、歌や演技もひととおり習っていました。小学校5年生からはギターやドラムも習って。月曜日だけスクールがお休みで、それ以外は放課後も土日もすべてスクールに通っていました。
ーー学校に行く時間以外のほとんどをレッスンに費やしたという凜音さん。歌もダンスも演技も「なんでもできる」のは、このときから習っていたし、勉強をしていたから、だった。吉田凜音 : 最初から全部、勘でできるようなタイプではないんです。いま、歌や演技など評価をいただけるとしたら、感覚というよりもふつうに勉強していたから、という現実的な答えになりますね(笑)。その頃からの日々の積み重ねが今につながっていると思うし、何よりも、歌やダンス、演技の、それぞれの楽しさを先生たちが教えてくれたことが大きかったです。
古着との出会い。ファッションは現場主義。
ーー吉田凜音を語る上で欠かせないのがファッションだ。中学生のときに雑誌『GINZA』にスナップが掲載され、モデルとしても活躍する他、ライブやメディア出演時も私服で登場することが多い。
吉田凜音 : ファッションのことを意識しはじめたのは、中学生になって東京に来るようになってからです。街を行き交う人もお洒落で、一緒に仕事をさせてもらう人たちをみて、いいな、素敵だなとおもって、どんどん服を好きになっていきました。
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吉田凜音 : バックダンサーとして入ってもらっている「NATT!」のこころちゃんがすごくお洒落で、それどこの?ってきいたら、たいてい「古着だよ」って。そこから原宿や高円寺の古着屋さんによく通うようになりました。
この日の衣装も、すべて私服。裏原の名店「KINSELLA」で購入した古着のコートは丈感や襟周りのベロア生地がお気に入り。タグをみて「おお、MACHKINTOSHのコートですね!」というと、マッキン?トッシュ?…有名なブランドか何かですか?と不思議そうな顔をしていた。ブランド名などは一切気にしないらしい。
ーーデジタルネイティブ世代、といわれるが、ファッションに関してはほとんどネットで調べることはないという。
吉田凜音 : 私、店名を覚えてなくて...場所として覚えてるんですよね。だから移転しちゃったりすると二度とたどり着けない。 お休みの日とか、撮影の合間とか、歩きまわって、中学生の頃は特に暇さえあれば古着屋さんに入っていました。洋服に関しては手と目と足で探します。バンドTシャツばっかり買うときもあれば、パーカが気になってずっと買ったり、いまはワンピースによく目がいきます。
女の子を生きるための、赤リップ。
ーーファッションに関連して、ヘアスタイルやメイクも「かわいい」と人気だが、特にこだわりがあるのは「赤リップ」なのだとか。
吉田凜音 : 明日からつけちゃダメ、といわれたら、本当に困りますね。リップは必ず赤色。中学生の頃から服装や気分によって使い分けていて、塗った瞬間、楽しい気分になれるし、女の子を生きている感じがするんです。
吉田凜音 : ボーイッシュなパーカーを着るときは、マット系の濃いリップ。透き通った赤は、ワンピースを着る日。ベージュがかってる赤は、女の子らしい服を着るとき。断捨離して数をだいぶ減らしたんですけど、家にはあと30〜40本ぐらいあります。
この日持ってきてくれたのは〈ボビー・ブラウン〉〈アディクション〉〈シャネル〉〈マック〉〈スリーコンセプトアイズ〉など。赤リップトークだけで2~3時間はいけてしまいそうな勢いだった。
すべてが詰まった「バーレスク」
ーーファッション、音楽、メイク。これまで出てきた要素が、すべて詰まった映画がある。女の子が、舞台に立ち、逆境をはねのけて、夢を叶える物語。大好きな映画は、自分自身の姿を重ねてみることが多いという。
吉田凜音 : 映画も好きで、今も映画館に週に2回くらいは行ってると思います。一番好きなものを挙げるとしたら、小学生のときにお母さんと家で観た「バーレスク」。ダンスとファッションとメイクと歌で勝負する女の子たちの映画なので、自分の好きなものが全部詰まっているというか。
「高校生だから、映画館も安いんです」
吉田凜音 : 主役の女の子が、偉い人にいじわるされてオーディションに出られなくなってしまうんですけど、オーディションが終わったあとに、勝手に音楽を流して、歌い始めて、私はこれだけできる、と示すシーンが特に最高ですね。 ほかにも好きなのは「ANNIE / アニー」とか「ヘアスプレー」とか、女性が主人公で、音楽が大きな要素になっている映画ばっかりですね。最近のイチオシはレディ・ガガさん主演の「アリー / スター誕生」です。
東京とフィルムカメラ
#film OFFICIAL MUSIC VIDEO
ーー最新作「#film」では作詞作曲にも挑戦している。題材となったフィルムカメラも、彼女を語る上で欠かせないアイテムだ。
吉田凜音 : 高校1年生のときのワンマンライブが終わったときに、友達がオリンパスのフィルムカメラをプレゼントしてくれたんです。もともとiPhoneで写真を撮るのも好きだったんですけど、フィルムは24枚とか36枚とか枚数が限られているなかで撮るので、より自分で意思でシャッターを切る感覚があります。1枚に対しての思い入れがすごく強くなるなぁと。あとから見返しても、その場の雰囲気や、記憶、前後の景色まで思い浮かぶんです。
吉田凜音 : モノとしての愛着がありますね。上京してからハマったものだから、東京で過ごした3年間、濃い時間を一緒に生きてきたのがこのカメラたちです。
選ぶ基準は、持ち歩きたくなる佇まいとポケットに入れたり首から下げることができるコンパクトなもの。その日の気分にあわせて、ほぼ必ずなにか1台を持ち歩く。
ゲームとひとりごと
ーーかわいくて、歌もうまくて、ダンスも踊れて、超お洒落。世の男性からすると完全に別世界の人間、という気もしてくるが、さらに無敵なことに、吉田凜音は大のゲーム好き、という一面も持つ。
吉田凜音 : ゲームは小さいころからずっとやってます。はじめは父親の影響かも。パパはウイイレとか無双系が好きで、私はゼルダとか、ホラー系。家にはプレステからWii、PSPもDSも一通りありました。
吉田凜音 : 東京の家にはPS4があって、暇な時間があればゲームをやっていますね。テレビと向き合って、あーだこーだ言いながら。家にいるときはよくひとりごとを言ってて。まじかー、とか、ここはこうだけどなーとか。思ってることが全部声でちゃいますね。
特にハマっている4作品。1日ぶっ通しで、というよりも1~2時間やって休憩して、を繰り返すプレイスタイル。
ーーゲームを心から愛する女子の、ゲームをやりながらの、独り言。完全にこれはゲーム実況をやった日には再生回数荒稼ぎなのでは?
吉田凜音 : 私のはほんとにひとりごとなので大しておもしろくないですよ。でも、ゲーム実況をみるのはすごく好きなんです。朝ごはんを食べるときはいつもポッキーさんのゲーム実況動画をみています。Twitterもフォローしてるんですけど、このまえフォローが返ってきて、超うれしかったです。声も人柄も好きで...ただの大ファンですね。
吉田凜音 が大ハマリしている名ゲーム実況者・ポッキーさんの動画。ゲームを普段やらない人でも楽しめる。
白米のない焼き肉は考えられない
ーーこういったインタビュー記事では最終的に「何を食べたらそんなかわいく /かっこよくなれるのでしょうか」と訊きたくなってしまう。凜音さんに関しては事前のアンケートでも、欠かせないものに「白米」と答えてくれていた。
吉田凜音 : 食べることが全般好きなんですけど、白米は別格ですね。白米に合うものがなんでも好きです。お味噌汁とか納豆とか塩辛とか。
お昼から焼肉サイコー pic.twitter.com/rMCTbzaNVB
— 吉田凜音 (@rinne1211) 2018年2月7日
いやあ 白米にお味噌って神だなあ
— 吉田凜音 (@rinne1211) 2018年9月1日
吉田凜音 : お母さんがいつも朝ごはんで、納豆、キムチ、沢庵、韓国のりを混ぜたものをよく作ってくれて、それが大好きでした。料理名?とかはないと思うんですけど、私はその納豆混ぜごはんで育ちましたね。
年齢やルックスの、向こう側
この日特に印象的だったのは「スクール時代に学んだことで、いまにつながっていることは?」と聞いたときの答えだ。彼女は「毎日の積み重ね」だと言った。そのあとに「いろんなことを勘でできるようなタイプではない」と付け加えた。現役女子高生というキャッチーな肩書きやキュートなルックスに目が行きがちだけど、ジャンルを越えて輝く才能の秘密に触れた気がした。吉田凜音はすでにいつでも「準備」ができているのだ。
吉田凜音 最新リリース情報
2019.2.13 発売 Single 「#film」 (読み:フィルム) M1. #film M2. MU M3. Tea for Two 生産限定#FR2コラボカメラ盤 NZS-768 \2,000(税抜き) ※M1. #filmのみ収録 通常盤 VICL-37447 \1,200(税抜き) >>詳細はコチラ
吉田凛音 最新ライブ情報
― バイバイJKバイブスアゲてこ〜↑↑↑ツアー ― 2019年3月20日(水) 大阪FanJ twice19:00 2019年3月22日(金) 名古屋ell FIT ALL19:00 2019年3月27日(水) 渋谷WWWX 19:00 一般発売 2月16日(土)〜(http://r-t.jp/rinne )
Photography_Reiji Yamasaki
Text_Kenta Baba
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