アジア発の5人組ボーイズバンドDAY6が、10月17日にJAPAN 1st ALBUM『UNLOCK』をリリースする。
DAY6は2015年9月、韓国でデビューアルバム『The Day』を発売すると、アメリカのビルボードワールドチャートで2位を獲得。日本では2018年3月にデビューしたばかりだが、その音楽はすでに世界中で聴かれていて、現在は計24都市をめぐるワールドツアーの真っ最中でもある。
DAY6 2nd LIVE TOUR in JAPAN “UNLOCK” メッセージ映像
ミーティアでは、そんなDAY6の5人にインタビュー。世界中のファンを熱狂させ、音楽にまっすぐな情熱を向けるミュージシャンとして、日本のポップカルチャーを愛するごくふつうの若者として。取材を通して見えてきたのは、彼らのそんな二つの表情だった。
Interview&Text_Osamu Onuma
Photography_Takuma Toyonaga
Edit_ Kenta Baba
『UNLOCK』。DAY6は、日本でリリースされるファーストアルバムをそう名付けた。
「もっと自分を解き放って自由でありたい」、そんなメッセージを込めたというこのアルバムは、「君の人生を生きろ」と歌う「Live Your Life」で幕を開け、最後の曲「Baby, it’s okay」までの10曲37分間をあっという間に疾走する。
DAY6「Breaking Down」Music Video
DAY6はメンバー自身が演奏し、作詞作曲も手がけるボーイズバンドだ。K-POPというと歌って踊るダンスグループのイメージが強いが、彼らの持ち味は力強いロックサウンドにある。さらに5人中4人がメインボーカルという編成がメロディアスな楽曲を華やかに彩り、聴く者の心を捉えて離さない。
2015年のデビュー当初から注目を集めていた彼らだが、現在は満を持して初のワールドツアーを開催中。アジア、オーストラリア、カナダ、アメリカ、ヨーロッパ……世界中を駆け巡る中で得た反響と手応えを、最年長のメンバー・JAE(ジェイ)はグループを代表してこう語ってくれた。
JAE : 行く先々で違うエネルギーを受け取っていると感じます。ずっと踊っていたり、全曲一緒に歌ってくれたり、歓声を送り続けてくれたり……。音楽への反応はそれぞれだけど、みんなハイテンションでエネルギーに満ちてることは変わらない。すごくいい経験をさせてもらっていると思います。
これまで以上に「DAY6らしさ」を表現できた一枚
『UNLOCK』も、このワールドツアーの真っ只中にリリースされる。収録される10曲は、どれも日本オリジナルの楽曲。作詞・作曲もみずから行う彼らは、日本の音楽シーンに届けるため、様々な試行錯誤を繰り返したという。
YOUNG K(ヨンケイ) : 今回のアルバムの「Live Your Life」と「Breaking Down」の2曲では、直接日本語で歌詞を書くことにチャレンジしたんです。まだ日本語は勉強中なので、とにかく大変でした。翻訳システムが発明されてよかった!と何度も思いました(笑)。だけど日本語には英語や韓国語とはまた違った美しさがあります。それを感じながら歌詞を書くのは一つの夢だったので、すごくいい経験になりました。
JAE : 日本の音楽の感性を知るために、日本のロックをたくさん聴いてメロディやギターの音色を日夜分析していました。
SUNGJIN(ソンジン) : 2ndシングルの「Stop The Rain」と、そのカップリングの「Falling」はNothing’s Carved In StoneやELLEGARDENの生形真一さんがプロデュースしてくれました。だからその音楽の影響を受けている気がします。
DAY6「Stop The Rain」Music Video
イントロからパワフルなドラムとグルーヴ感のあるギターで畳み掛ける「Stop The Rain」は、アルバム前半のハイライト。日本のロックシーンを牽引するギタリスト・生形真一のバックアップを受け、これまでのDAY6にはなかった新たなカラーを纏っている。
View this post on Instagram
ただし、このアルバムがこれまでのDAY6とまったく別物になっているわけではない。日本でリリースされる意味を考えながらも、メンバーはこれまで以上に「DAY6らしさ」を表現できたとその手応えを語る。
JAE : 制作中はいろんな音楽を聴いたけど、特定の何かの影響を受けているというより、自分の感情に対して忠実に作ったという感じ。僕たちの気持ちがストレートに表現できたと思うので、じっくり聞いてほしいです。
DOWOON(ドウン) : DAY6はジャンルにとらわれず、いろんな音楽を追求するバンドです。『UNLOCK』ではバンドならではの多様な音楽を表現できたと思います。
WONPIL(ウォンピル) : メンバー中4人(JAE、SUNGJIN、YOUNG K、WONPIL)がメインボーカルで、みんな声の音色が違うのもDAY6の持ち味。それぞれの歌声の個性もしっかり楽しんでもらえるんじゃないかな。
DAY6「If ~また逢えたら~」Music Video
「If 〜また逢えたら〜」「Stop The Rain」という2枚のシングル、リード曲「Breaking Down」のようにエモーショナルな楽曲から、軽快なリズムに乗せてありのままを肯定するメッセージソング「Everybody Rock!」、拳を突き上げて一緒に叫びたくなる「Nobody Knows」、さらには「I Just」や「Baby,it’s okay」のようなラブソングまで、『UNLOCK』に収録されている楽曲は実にバリエーション豊か。世界から求められるロックを鳴らしながら、自分たちにしかできない音楽を追求しているDAY6だからこそ作り上げることができたアルバムだ。
View this post on Instagram
そしてそのアルバムをひっさげ、日本5都市をめぐるライブツアーも決定している。ツアーへの意気込みを、それぞれ語ってもらった。
SUNGJIN : 日本でツアーを回るのははじめてなので、緊張しています。でも、DAY6のパワーを全力で伝えて、みんなが思い切り楽しめるツアーにしたいです。
JAE : 僕たちはまだ日本でライブ経験が少ないんです。ワールドツアーを回る中で、「日本でも単独ライブができたら絶対に楽しいはず!」という気持ちがどんどん強くなっているので、それを思いっきりぶつけたいと思っています!
DOWOON : 今回のアルバムにはノリのいい曲もたくさん入っています。みんなで声を合わせて歌えばもっと盛り上がると思うので、アルバムを気に入ってくれたらぜひライブ会場に足を運んでもらいたいです。
WONPIL : どんな場所であっても、僕たちは変わらずに心を込めてライブをするだけ。僕たちのエネルギーと皆さんが出会うことでどんな相乗効果が生まれるのか、楽しみにしています!
YOUNG K : みんなが伝えてくれたのとまったく同じ気持ち。今回は全国を回って、ライブができるので今からとても楽しみです!
曲の中に、暖かい空気が溶け込んでいる
日本でデビューしてから約7ヶ月の間にシングル2枚、ベストアルバム1枚、アルバム1枚と精力的にリリースを重ね、ツアーまで決定しているDAY6だが、日本で活動する日々をどのように思っているのだろう? 聞いてみると、それまでの真剣な顔つきから一転、メンバーの表情がぱっと明るくなった。
SUNGJIN : おいしいものもたくさん食べたし、6月の初単独ライブもとても楽しかったです。アルバム制作でも素晴らしいミュージシャンとコラボをしたり……。一つ一つが貴重な、楽しい経験になっています。
YOUNG K : 韓国でもいろんな経験をしたけど、日本でもいろんな経験が出来き、もっともっと活動できたらいいなと思っています!
JAE : 僕は時間があると街をぶらっと歩くんです。うまく言葉にできないんだけど、その時、いつも独特の深みのある温かさを感じています。こうした日本で見た景色や感じたことはきっと自分の体に染み込んでいて、次のプロジェクトのインスピレーションになると思います。
DOWOON : 日本の街並みはきれいで、趣がありますよね。まだたくさん見れているわけではないけど、僕も街を歩くのが大好きです。
WONPIL : 日本にはまた違う温かい空気があるよね。夏の肉フェスの野外のステージで「Baby, it’s okay」という曲を歌ったら、その空気にぴったりだったんです。この曲を作っている時は特にそんな風に感じたことはなかったんだけど、知らないうちに曲の中に溶け込んでいたのかな……と思いました。
カルチャー話に花が咲いた、普通の若者と変わらない5人の素顔
話はさらに盛り上がり、メンバーがそれぞれ日本の好きなところを話し出す。その中で、YOUNG Kが相当なアニメ好きだということが発覚した。
YOUNG K : 実は『UNLOCK』も、アニメからの影響を強く受けているんです。前半の「Live Your Life」や「Breaking Down」はアニメのオープニングテーマのようにパワフルな雰囲気、後半の「If 〜また逢えたら〜」は逆にエンディングテーマのような雰囲気をイメージしながら作っていました。
YOUNG Kが一番好きなアニメは『ONE PIECE』。秋葉原で麦わらの一味のフィギュアをそろえるほどのハマりようだが、すべて観てしまったので最近は『坂本ですが?』を観ているそう。
この話をきっかけに、他のメンバーも好きなことを語りだす。アーティストとしてインタビューに答えているというより、同年代の男友達と雑談をするようなテンションで、それぞれの好きなものを教えてくれた。
WONPIL : 僕はモンハンが好きで、毎日遊んでいます。音楽とモンハンの両立で毎日大変(笑)。趣味だけど、プロゲーマーみたいになってます。
DOWOON : 僕は『鋼の錬金術師』や『ワンパンマン』なんかがお気に入り。昔はYOUNG Kさんより僕の方がアニメを見ていたんですが、最近は逆転されてしまいました(笑)。
JAE : 僕はアニメは見ないけど、漫画が大好き。『ドラゴンボール』『幽☆遊☆白書』『SLAM DUNK』……少年ジャンプの作品はほとんど読んでいる気がします。
YOUNG K : 『SLAM DUNK』はクラシックだよね(笑)。あと『荒川アンダー ザ ブリッジ』も好き!
SUNGJIN : アニメじゃないけど、映画も大好き!『そして父になる』、『いま、会いにゆきます』……。あとタイトルを忘れましたが、セリフは覚えています。「お元気ですかー!」(笑)。
SUNGJINが叫んだ「お元気ですかー!」とは、1995年に日本で公開された映画『Love Letter』の有名なセリフ。韓国でも公開され、観客動員数140万人を超える大ヒットとなった作品だ。
誰かが話すとまた誰かが話を広げ、一時は収拾がつかなくなりそうなほどの大盛り上がりに。彼らが好きだと話すアニメや映画などの作品は、日本の若者にも愛されているものばかりだ。そのことを伝えると、「話が終わりそうにないから、取材のあと、よかったらみんなでお茶でもしない?」とWONPIL。お茶目なジョークに、一同に笑いが広がったところで、取材のタイムリミットが来てしまった。
音楽に込めた思いを語る真剣な眼差しと、アニメやゲームを心底楽しそうに語る表情。短い時間だったが、インタビューを通して世界中でライブを繰り広げるスターとしてのDAY6と、無邪気な20代の男の子としてのDAY6という二つの表情を知ることができた。
それぞれの表情はまったく違うものに思えるが、二つは彼らの中では繋がっている。
YOUNG Kがアルバムを作るときにアニメのオープニングやエンディングをイメージしたように、WONPILが「Baby, it’sokay」を歌いながら野外の空気感にぴったりだと気付いたように。
アルバムリリース、そして全国ツアーというこれからの日本での活動を経て、どういったバンドに変化していくのだろうか。可能性を解き放ち、自分たちにしかできない音楽を追求し続けるDAY6の活躍が楽しみだ。もし再び5人に会う機会があれば、成長した彼らが感じたことをもっと聞いてみたい。その時はきっと、時間切れになった話の続きもできるだろう。
DAY6 最新リリース情報
JAPAN 1st ALBUM『UNLOCK』
2018.10.17 ON SALE
■初回限定盤 (CD+DVD) WPZL- 31524/5 ¥3,500+税
■通常盤 (CD Only)
WPCL-12947 ¥3,000(本体)+税
■ピクチャーレーベル盤 (CD) 全5形態 ¥2,200(本体)+税
【CD】全10曲収録
01. Live Your Life
02. Breaking Down
03. Stop The Rain
04. Say Hello
05. Everybody Rock!
06. I Just
07. Nobody Knows
08. Falling
09. If ~また逢えたら~
10. Baby, it’s okay
【初回限定盤特典DVD】
01. 「Breaking Down」Music Video
02. DAY6 JAPAN 1st ALBUM「UNLOCK」Making Video
03. 「If ~また逢えたら~」 Music Video Another Ver.
04. 「Stop The Rain」 Music Video Another Ver.
【初回限定盤・通常盤 (初回プレスのみ)共通特典】
トレーディングカード*5種類のうち1枚ランダム封入
【ピクチャーレーベル盤特典(初回プレスのみ)共通特典】
トレーディングカード封入 *各ピクチャーレーベル盤のメンバーと 同一メンバーのトレーディングカード封入
DAY6全国ワンマンライブツアー情報
【DAY6 2nd LIVE TOUR in JAPAN “UNLOCK”】
10月22日(月) 宮城・darwin
10月24日(水) 東京・マイナビBLITZ赤坂
10月25日(木) 愛知・THE BOTTOM LINE
10月28日(日) 福岡・DRUM Be-1
10月29日(月) 大阪・なんばHatch
SHARE
Written by