「傷つきながらも、愛ってなんなのかを模索する」舞台『monster & moonstar』
Edit_daytime part_野中ミサキ(NaNo.works)
3月24日〜28日にかけて、原宿VACANTで舞台『monster & moonstar』が上演される。
脚本は、2011年の脚本作品初演以降、エドガー・アラン・ポー原作『モルグ街の殺人』を基とした脚本・出演舞台『MoonlightRambler ~月夜の散歩人~(主演:本郷奏多)』をはじめ、舞台・映像監督・俳優として幅広く活動する脚本家・ 濱田真和。
2014年には自身の活動発信の場としてSuperendrollerを立ち上げ、プロデュース作品として自身が脚本・演出・出演を務める舞台を発表、そのインスタレーション的空間演出や新進気鋭のキャストで描く世界観、実験的かつ次世代的な演劇スタイルは、発表ごとに注目度を増している。
今作W主演として、ドラマ『なぞの転校生』・映画『リュウグウノツカイ』『後妻業の女』『娼年』(演出/三浦大輔)など、数々の話題作に出演し注目を集める女優・樋井明日香と個性溢れる存在感で映画・ドラマ・CMと幅広く出演、岩井俊二らとバンド「ヘクとパスカル」のメンバー・シンガーソングライターとしても活躍する椎名琴音の2人を起用。
物語を転換させる重要な役どころに、大手企業CMやアーティストMVへの出演や監督・脚本家としても評価を得ている小川紗良、歌手・役者として活動する福永マリカ、子役から数々の作品に出演し川村企画を主宰する若手実力派俳優・川村亮介など、独創性の高い役者陣が顔を揃える。2012 年に ONE OK ROCK『アンサイズニア』で MTV 最優秀ロッ ク賞など数々の賞を手にしている映像監督・フカツマサカズが役者として初めて舞台を踏むのも見どころのひとつだろう。
Superendrollerプロデュース作品としては、これまでに2作品を原宿VACANTで上演。
友人を失った経験を昇華し自身の自伝的作品となった『sea , she , see』、プロミュージシャンを志す青年の心境に青春性と虚無感を投影した『blue , blew , bloom』。そして、3作目となる今作『monster & moonstar』では、兄の行方不明により一人残された女子高生の多難な人生から浮かび上がる人間の心の動きが描かれている。
-STORY-
地方で暮らす女子高生・彗(スイ:樋井明日香)と兄・恒(コウ:濱田真和)。
――「あの兄妹は不幸を呼ぶ」。
両親の死をはじめ、兄妹に降り掛かる数々の不幸から生まれた噂は、彼らから人々を遠ざけていった。
暗闇にいた2人の日々に、一筋の光が射し込む。
太陽のように明るい笑顔を向けてくれる輪(リン:小川紗良)との出会いだった。
しかし、その輪にさえも不幸が訪れ、そのことを機に恒は行方不明に。
たった一人で生きていくことになった彗が、歩む先に見るものとは?
渚(ナギサ:椎名琴音)をはじめ、彗を取り巻く人々との狭間に浮かび上がる、
人間が抱える心の矛盾と絶望の隙間に射し込む少しの光を描き出す物語。
また、脇を固めるアーティストとのコラボレーションにも注目したい。
劇中の音楽には、前作『blue , blew , bloom』で舞台初主演を務めたミュージシャン・俳優の古舘佑太郎。
照明には、その技術と感性で1作目から濱田の描く世界観をより印象深いものにしてきた照明作家・渡辺敬之(仕立て屋のサーカス/tremolo)。
衣装には、コアなファッション好きからの支持者を集めるMADE in JAPANブランドPorter Classicがクレジットに名を連ねている。
以下、MEETIA独占で、今作上演にむけて、
脚本・演出の濱田真和、主演の樋井明日香・椎名琴音、出演の小川紗良、音楽の古舘佑太郎のコメントを公開。
あらゆる個性がぶつかりあって作り出される本舞台。
足を運び、その場限りの世界に存在する登場人物の人生をぜひ共有してほしい。
-濱田真和 Superendroller-
僕には今、明日なんて考える余裕はなくて、
でも、過去が未来をつくるんだと信じている。
過去はいつも煌めいていて、未来はいつも暮夜けている。
過去を想いながら、今を旅しながら、未来を探している。
久しぶりに、大好きな会話劇に挑戦しています。
人が、アイテムが、光が、音が、そしてお客様が、しっかりと作品上で存在するように、キャストを、スタッフを、アーティストを観察する毎日です。
キャストやスタッフ、アーティストもそれ以外の人も、誰かが傷つくことで、この作品は加速している気がします。
傷が増えるたびに、愛を知っていっている気がします。
今回集まってくれた、
傷つきながらも、愛ってなんなのかを模索する、愛おしいキャストスタッフアーティストとつくりあげる、今だけの、命の物語を、是非体感しに来てください。
これが終わったとき、
僕が、皆が、誰かが、世界が、ボロボロだとしても、
なにか、変わっているといいな。見つかっているといいな。と、思います。
そして、その続きをまた、想像して、探せますように。
-樋井明日香-
舞台『monster&moonstar』
私は彗という主人公の女の子を演じさせていただきます。
初めて台本を頂いて、彗の台詞を声に出しながら読んだのですが、途中から泣いて読めないくらい胸が締め付けられました。
彼女は、試練というのか、不幸なことが積み重なり、今にも押し潰れてしまうくらいの状況にあります。そんな中、いろんな出来事にしょうがないって言いながら、色んなことを諦めながらそれでも生きていく女の子の役です。
今、まさに稽古真っ最中で、悪戦苦闘していますが、もみくちゃにいろんな感情をぶつけ、ぶちまけ合ってそこをみて何かお客さんの心がどこかで震える部分があれば嬉しいなとおもいます。
決して「楽しい!」と言える舞台ではありませんが、
エネルギーを発散し役と共に自身もたくさん悩んで、悩んで成長できたらいいなあと思ってます。
是非、来て下さい。
「後半 ~ 椎名琴音,小川紗良,古舘佑太郎が語る、それぞれの物語」
SHARE
Written by