第4章 – 周りが変わってきた –
だけど、周りが変わってきた。俺が「さっきの嘘なんだよね!」というと「なんでそんな嘘ついたの?」と笑ってくれる友達。俺も嘘をついた理由なんかわからない。心のそこから笑えた。
4か月くらいたった。もう嘘をつかないことが、さほど苦しくなくなった。だけど、誰かがついた嘘がわかるようになった。「あ、このパターンの嘘だ」。だけど、その全てが悪意ではない。みんな気づかない間に嘘をついている。俺のことを思って、嘘をついてくれる人もいる。世の中には素晴らしい嘘があるんだね
俺は心から、言った。「嘘つかなくていいんだよ」。この言葉に泣いてくれた人もいた。
第5章 - 今日からまた嘘をついていい –
2016年になった。今日からまた嘘をついていい。
初めてつく嘘は、何にしよう。とても考えた。だけど、いい嘘なんて何も思いつかなかった。あんなに当たり前についてた嘘。
1年経って、とても大きく変わったことがある。周りにいる人たちが変わった。嘘をつかなくなると、人生の登場人物が変わる。徐々にでなく、自分でもわかるくらいいきなり変わった。自分が変われば、周りも変わるというけど、僕にとっては得たものと同じくらい、なくしたものも大きいかった。
第6章 – 答え方が変われば、人生が変わる –
嘘をつかなくなって一番よかったなと思うこと。それは「言いたいことを心を込めて言う」これができるようになったこと。「やりたいことを心を込めてやる」。
「似合ってる?」「かわいい?」ときいてきた相手に、「似合ってないけど、お前は最高!一緒にいたいぞブス!と言える。」
「大丈夫?疲れてない?」と聞かれて。「1時間だけ寝させてくれたら、その後30分で俺一人でやります」と言える。
「会いたいね!来週空いてる?」 「来週どころか、今30分会いに行く!」と、即答できる。
答え方が変われば、人生が変わる。僕は自分がいいたいことを、歌ってる。
本気で笑えるようになった。いま生きることが子供みたいに楽しくて、辛い。
世界は僕が思ってるより、最高で、最低だな。僕は、今日もそれにすかさず、最短時間でツッコミを入れる。
第7章 – 嘘をついていたあいつに「お前が悪い」なんて誰が言える –
「ウソツキと正直者」はどちらが正義か?どちらも同じくらいゴミだ。
正直に生きていいほど、世の中は甘くない。だけど、つく必要のない嘘はやめれば、出会いや運命は豊かになる。
だけど、正義がいいかなんて誰にもわからない。今日も嘘をついていたあいつに「お前が悪い」なんて誰が言える?
誰かを守るための嘘かもしれない。ウソツキと正直は兄弟だ。
第8章 – そのウソツキな目が優しく笑うから 僕はバカを演じるよ –
高校生の時。母親が、ガンになった。父親は、母本人や家族にはガンだということを伝えなかった。
僕も騙されたふりをして、お母さんに「すぐよくなるよ」と嘘をついた。妹は小さかったけど、泣いていた。お母さんが弱っていった。だけど、お母さんが「大丈夫」と笑っていた。
僕は、あの日いつも通りを演じた。だけど、ノートに綴った。
「そのウソツキな目が優しく笑うから 僕はバカを演じるよ。どれだけ卑怯だって、嘆いたってどうせ全部許せちゃうんだよ」
あの日、家族全員が嘘をついていた。そんな嘘をついて、誰かが悲しんだ。誰かが泣いた。でも、お母さんが笑うから、僕を嘘を信じてた。
大人になって、そんなことを曲にした。
1年間嘘をつかずに、頑張ったけど、あの日の嘘が正しかったのかはわからない。僕も今だって、必要だなと思ったらウソをつく。
だけど、せめて今日も、心を込めてすウソをつく。
ウソツキ / WHITE JAM
PS, 「そして僕は2016年、1度もコンビニに入らない。」に続く…
-WHITE JAM-
WHITE JAM オフィシャルサイト
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