MEETIAをご覧の皆様、はじめまして、編集部の五十嵐と申します。いつもMEETIAを観覧頂き心より感謝致します。
さて、本日よりシロセ(WHITE JAM)による連載コラム「シロセとクロセ」がスタート致します。
この連載はWHITE JAMの楽曲、歌詞の世界観に大変感銘を受けた私がシロセさんを訪ねて今回書いていただく運びになりました。
”対比” をテーマにWHITE JAMの楽曲と別のある物事の対比についてシロセさんに書いてもらいます。
読み始めればそこに広がるのは現実世界よりも深く広がるシロセワールド。時に切なく、時にファンタジーな世界だ。
シロセさんの選ぶ言葉、文章から想像されるシロセワールドを少しでも多くの方に知って頂きたく連載をスタート致します。
WHITE JAMを好きな方はもちろん初めてWHITE JAMを知った方にも読んでいただきたいコラムになっております。
ぜひシロセワールドを覗いてみてください。
– ウソツキと正直者。果たしてどちらが正義か? –
どちらもゴミだ。
そもそも正直に生きていいほど、世の中は甘くない。
一年を振り返って嘘を一度もつかなかった人間なんて、この世界で僕しかいないだろう。
「嘘つけ」
そう思ったあなたに、問う。あなたは今日1日、ウソをつかずに生きれますか?
あなたは今日この1日、40個ウソをつくでしょう。と、いうか人はそもそも1日平均40個のウソをついている。これは善人、悪人に限らない。良い人も、悪い人も1日同じくらいの回数で、ウソをついている。
僕は、2015年その40個のウソを攻略することに成功した。ウソを一度もつかないことに、挑戦したのだ。はじめにその話をしておこうか
第1章 - ウソを1年に1度もつかない男、SHIROSE –
僕はWHITE JAMという音楽グループの歌手でSHIROSEという名前だ。人に曲を提供する仕事をしていたり、自分で歌ったりする。高校生の時に書いた「ウソツキ」という曲がヒット曲となった。
この曲で嘘について歌っているので、興味本位で ”嘘つかないチャレンジ”をしてみたのだ。
チャレンジ1日目は、普通に過ごして1日どれくらいの嘘をついているか数えてみた。人間の平均は40回。さて僕の場合は…1日76回の嘘をついていた。
もちろん自分がそんなに嘘をついているという意識はなかったし、スポーツマンで正義感も強い方だから、騙してやろうとは、そうそう思わない。だけど平均よりも2倍の嘘をついていることに驚いた。
第2章 - ウソにはいくつかの種類がある –
嘘には、いくつかの種類の嘘がある「自分をよく見せるための嘘」「めんどくさいことから逃げるための嘘」「相手を傷つけないようにする嘘」「相手から何かを盗むような嘘」…
もっともっといろんな種類の嘘があるが、自分は恥ずかしながら「自分をよく見せるための嘘」がとても多かったのだ。挑戦初日、とても自分が恥ずかしくなった。こんなに人を騙していたんだな。
知ってるのに知らないふりをしていたかもしれない。好きな人のためにそんなに食べたくないものを「食べたいね」と話を合わしてみたり。あと10分かかるのに、「あと5分ちょいくらいで着く」とか、そう言った反射的な嘘が多かったかもしれない。口癖の「大丈夫」も、辛くなった時の合図かもしれない。特に、自分はメジャー歌手でもありながら、会社の社長でもあるので、取引先との会食や、人との出会いが日常さはんであるので、人との会話量がそもそも2倍以上あったのだ。必然的に2倍以上の嘘をついていたんだな。人と多く関わる人は、それだけ嘘をつくリスクが高い。
第3章 – 正直に「似合ってねーよブス」とは言えない –
よし、これらのウソを一度、全部やめてみよう。こう思ったのが二日目。とても苦しかった。嘘をつかないように会話をするのは難しい。あまりタイプでない女に、「にあってる?」「かわいい?」などと、聞かれた時の僕はまるで、行き止まりのモルモット。水を得てない魚。休日のないローマ。
ある程度の信頼関係がない限り、正直に「似合ってねーよブス」とは言えない。
僕は次第に、嘘をつかないように、人との会話を減らしてしまうことになり、この間に疎遠になる人も多かった。想像してみてほしい。あなたが「会いたいね!来週空いてる?」とラインを誰かに送ったら、「空いてるけど、別に会いたくないが、会おう!」と返信が来る。
僕は、最初の一ヶ月こうゆうやつになってしまったのだ。
とても苦しんだ。相手の言ったことに、嘘を絶対につかずに返すのはまさにカウンター狙いのボクサーだ。あなたが、このウソ攻防戦を観覧していたとしたらきっと、メイフェザーのボクシング世界戦を思い出すだろう。特に、とても偉い人と話すときは、とても重くて確信のあるジャブが絶妙な間合いから飛んでくるのだ。ウソつかないのむず!僕はいつも持ってる。「武器なしで、この人とどう戦う?」
人と疎遠にもなった挙句、顔にはストレスでニキビができた。このままではおかしくなってしまう。
だから、ルールを設定した。「嘘をついたとしても、正直に10分以内に相手に自己申告すれば嘘とみなされない」「本気で言ったことで、結果的に達成されなかったこと」は、嘘にみなされない
正直に生きるのって難しい。
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