「ハイレゾ音源」。音楽好きなら誰しも気になるこのワード。しかし、いま実際にその環境を自分の側に整え、ハイレゾでしかもう音楽聴かないなんて人は、一部のセレブか業界関係者だけなんじゃないでしょうか。自称Music Loverな私も家電量販店で試聴したことはあったものの、聴いたのはその一度だけ。それがもし、自分の好きなアーティストの、まだリリースされていない新譜を、そのアーティストの側で、ハイレベルなスタジオで聴けるとしたら?
こんな夢のような企画が、”会える”ミュージックメディア「MEETIA」にはあるんです。私も驚きました。笑 今回は私もそこに参加させていただけるということで、お仕事ということも忘れて楽しみにしていました!
会場となったSONY Musicの乃木坂スタジオは、友人のアーティスト達からもよくその名を耳にするスタジオ。実際入ってみると お お き い ! 綺麗で、地下でも天井が高くて、壁が分厚くてどっしりしていました。レコーディングスタジオの中は、何かの映画で見た指令室のようにボタンがずらぁ~! そして大きなガラスの向こう側には、オーケストラが入りそうなくらいのレコーディングスペース。今までどんなスターがどの名曲をこのスタジオでレコーディングしてきたんだろう? と想像せずにはいられません。
スタジオに集まったファンは総勢20名ほど。これだけの人数が入るスタジオでレコーディングするということがまず凄い。そしてそこに本日のアーティスト、ななみさんが登場! Tシャツに黒いスキニーデニム、というシンプルな格好で現れたななみさんはまさにライブではない、ラフなレコーディングスタイル。ファンだったらその姿だけでもいつもと違って嬉しいのでは。ただ、ななみさんの場合、フランクなのは格好だけではありませんでした。「ちょっとみんな、どうしたの?緊張してるでしょー! 私の音楽は心を柔らかくして聴かないと…」と、ファンの女の子の肩をモミモミ!(笑)。これには私もびっくり! 会場の空気は一気に和みました。すごいなぁ~! 「楽しんでってください」と添えて、ななみさんは一旦退出。
まずはセカンドフルアルバム「Light in the Darkness」から6曲をハイレゾ音源で聴きます。
1曲目は「サイレン」。イントロからハッとする。まるでギターの弦がどう鳴っているかが目に見えるような、立体感のある音が聞こえる。そこからたたみかけるように色んなサウンドが入ってくる。アルバムの一曲目を飾る、疾走感のあるロックナンバーだ。私がこの曲で一番好きな部分は、 Aメロのななみさんの早口で囁くようなヴォーカル。一気に引き込まれる。一曲を通しての緩急が、この曲のミソ!
2曲目の「四文字ラブレター」は、四つの四文字熟語から始まるという、独特の言葉選びがななみさんの個性を際立たせるロックなナンバー。かわいい声と強い声の使い分けが印象的だった。
続いて3曲目「通りゃんせ」。これが凄い曲だった。イントロはオルゴールの音から始まるのだが、そのネジを回す音の響き方に、空間の奥行きを感じる。まるでその部屋にいるような気になったところでダダッと始まるこの展開! 一曲を通して、音響やBPMがめくるめく展開を見せるこんな曲こそ、ハイレゾで聴くとより深く楽しめる。歌詞の世界観も含め、聴いていてゾクッとする曲だった。
4曲目は「SaRieL」。全英語詞曲。これまでとガラッと変わった神秘的な曲調は、コーラスが美しく、アコースティックギターの音色が優しい。無限にループするビート感がそこに世界を作り出す。とはいえななみさんの声の持つ強さはしっかりと。私はこの曲が一番好きかも。
5曲目「only lonely」はさらに優しく、そして切ない。ななみさんのメロディーセンスが光る一曲。水の音が印象的で「深海で待ち合わせ/その途中で星に出会う」といった歌詞が沁み渡る。
ラスト6曲目は「これを愛として」。部屋の中でふたりきりで、ななみさんの弾き語りを聴いているように始まる。息づかいのすみずみまでもが伝わってくる。唯一少しだけ生活感のあるワードが入っていたのが印象的だった。ななみさんを近くに感じる、暖かくシンプルなラブソングだ。
あっという間に6曲の試聴を終えたあとは、お楽しみ!
ななみさんがスタジオに入り、ファンの方から希望者の一人がディレクターの役割を務め、まるで実際のレコーディングと同じように、その指示を受けて生で一曲ななみさんが歌ってくれるという! それを、私たちはスタジオで聴くのです。こんな夢のような機会があっていいものか。
歌ってくれたのはアルバム収録曲「明日太陽が消える」。勢いのある王道ロックナンバーです。やっぱりCDを聴いているのとは訳が違う。音楽に声が乗って、歌詞に感情がこもって、ななみさんの歌になる。そんな場面を体感して私は本当に感動しました。歌っている時の感情ってやっぱり伝わるんですね。
と、濃密な数時間を過ごしたのでした。ハイレゾで聴くことも、新譜をいち早く味わうこともとても良かったけれど、何より「曲が音楽になる瞬間を体験する」。これが一番の感動でした!
■ななみ「Light in the Darkness」
発売日:2016年7月6日(水)
【初回生産限定盤】
CRCP-40466 ¥3,056+税
【通常盤】
CRCP-40467 ¥2,778+税
収録曲:
1. サイレン
2. 四文字ラブレター
3. 笑火
4. 通りゃんせ
5. I Eye Ai
6. SaRieL
7. only lonely
8. Next 2 U
9. 走れ。
10. 桜 -19th Edition
11. これを愛として
12. 明日太陽が消える
13. CHASER(LIVE)(※初回限定盤のみ収録)
14. Dahlia(LIVE)(※初回限定盤のみ収録)
15. 君という宝物(LIVE)(※初回限定盤のみ収録)
16. I’ll wake up(LIVE)(※初回限定盤のみ収録)
17. I live for love(LIVE)(※初回限定盤のみ収録)
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