【悪魔との契約更改】
“どうしても受かりたい一心だった”
みんな小学生の時に、将来なりたい仕事をみんなの前で発表したりした事はあるでしょ?
サッカー選手やプロ野球選手、ケーキ屋さんにお花屋さんと、卒業アルバムにも書いてたりもしましたよね。
もちろん僕もありました。
僕はというと、将来は料理人になるんだと意気込んでいましたよ!
その頃まで出て「美味しんぼ」は読破してましたし、料理番組は釘付けで見てました!あの調理場と言う戦場でクールな佇まいで芸術的な料理を次々作り上げていくシェフにかなり憧れていました!
その想いは、中学1年までは真剣に 「どこか弟子入りとかせなあかんな!」まで思っていましたからそりゃ本気ですよ!
でも高校は卒業したい!と思い、高校の資格も取れるという話を聞いて某有名料理学校の入試も受けた、まさかの合格してしまう…。
たしか、筆記試験と面接試験の二つあってその面接試験の時に「特技か趣味はありますか?」という質問に「500ピースのパズルを5分、10分で完成させれます!」今でもなぜこんな嘘が口からポロっと出たのか分からない…。
どうしても受かりたい一心だったんだろうなぁ、っと思い返せば思えるけれど、
まずパズル自体全然やった事もない…
手先器用なんですアピールなんだろう…
痛いヤツだったと今でも反省してます。
でもそれがきっと決め手なんやろなぁ、と思うほどに面接官がパズルの話題に食い付いていた…。
それでも、受かった事だしと説明会と学校の備品販売会に行った時にすべての調理器具が高い事に僕は絶句し、ついて来てくれていた父親に「えー大変申し訳ないんですが、調理器具だけで100万以上は高すぎるので……やめます!」と言い「後期の受験をがんばりますので…」っと説明会を後に。
そして、帰りの車の中で遠くを見つめて「そう簡単にはいかないよな~」とぼやくと同時に料理人になると断言していたあの熱い思いは自然と薄れていました。
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