前回、このミーティアさんと一緒に主催させて貰ったイベント『MUTANT CAMP』を振り返ったコラムを番外編として綴ったが今回はライカヒーローらしくヒーローコラムに戻り、またまた少しニッチなコラムをひとつ。
以前、戦隊ヒーローモノで『忍者戦隊カクレンジャー』を紹介したが、
今回も戦隊モノの『特命戦隊ゴーバスターズ』をご紹介。
2012年に放送開始したこのゴーバスターズ。ひとつ前に放送された戦隊シリーズ35作目記念作品『海賊戦隊ゴーカイジャー』が過去の色んな戦隊ヒーロー達が総出演したりと総括的な作品だったのに対し、ゴーバスターズでは心機一転、新しい試みなどが見られる意欲的な作品となった。
ーーーーー転送技術を研究するセンターのスーパーコンピューター内に意志を持った謎のコンピューターウイルス「メサイア」が感染し物理的な暴走を始める。
メサイアの暴走の拡大を防ぐ為、亜空間と呼ばれる異次元に研究施設や研究員ごと転送し、封印する事を余儀なくされた。 ギリギリのところでかろうじて外に脱出した3人の子どもと3体のロボット・・・。
彼らは亜空間に消えていく、研究員を務める自分の親達を見ている事しか出来なかった。 それから13年、国内ではエネトロンと呼ばれる新しいエネルギーが主要エネルギーとして必要不可決となっていた。
しかしそのエネトロンを復活のエネルギーとして利用する為、メサイアは亜空間からヴァグラスと呼ばれる怪物を送り込み各所にあるエネトロン施設を襲撃。 その襲撃に備えていたエネルギー管理局特命部所属の特殊部隊・特命戦隊ゴーバスターズの3人と3体のロボット、バディロイド。彼らは13年前に助かったあの3人の子どもとロボット達だった。
まず戦隊ヒーローモノを何作品か見た事のある人なら、このあらすじを見ただけでもゴーバスターズがいかにシリアスな設定なのか分かるだろう。
本来子どもにも分かりやすく、コミカルなものが多い戦隊モノだが、この作品では「災害」や「力を持つ者の責任」など色んな重たい題材が詰め込まれている。
そして親を失ったり同じ境遇に遭った3人の深過ぎる絆を物語のメインに置くことによって、他の戦隊モノでは比べ物にならない程切なく熱いヒューマンドラマが濃く描かれている。
本当に良く出来た最終回には涙を流すファンも多かったはず。
そんな切ない境遇が生み出すドラマも作品の見どころだが、是非注目して頂きたいのが作中に出てくるロボットの格好良さである。
1990年放送のアニメ『勇者エクスカイザー』で始まり、1998年放送の『勇者王ガオガイガー』迄続いた勇者ロボットシリーズや、『新世紀エヴァンゲリオン』など、日本人には馴染みの深い巨大ロボット。
戦隊ヒーローでも巨大ロボットにヒーローが乗り込み戦う事がお馴染みとなっているが、何処からともなく颯爽とロボットが現れ、何となくロボット同士が合体、コクピット内部はガラガラで操縦も心意気でカバーするという状態がほとんどで、戦隊ヒーローではあまりロボットの細かい設定や描写には踏み込んでいなかった様にとれる。
しかしゴーバスターズではスタッフ陣がメカニックやロボット押しと公言するほどこの部分には力を入れている。
司令官が慎重に指示をし発進するロボットに、基地には何人もの整備士。発車庫は街中にあるシェルターに繋がり、合体プロセスを邪魔された時にはマニュアル操作で合体・・・とロボットモノが好きな人にとっては生唾モノのイベントが随所に散りばめられている。
司令室にいる女性オペレーターが、敵を探知し「3、2、1・・・転送完了!来ます!」と叫んだり「第2、第3装甲板、消閑!」というセリフで緊迫感の煽る方法はエヴァンゲリオンも彷彿させる。
そんな物語の濃厚さやロボットへのこだわり等、ゴーバスターズの見所はたっぷりあるのだが、従来の戦隊ヒーローモノに比べ挑戦に挑戦を重ねた意欲作である為、子ども達の理解は得られず、展開されている玩具の売り上げでも分かる様に少し寂しかったのも事実。
しかし、ゴーバスターズを見終えた方に、是非見て頂きたい作品がある。
それが放送終了後に発表されたスピンオフなOVA作品『帰ってきた特命戦隊ゴーバスターズVS動物戦隊ゴーバスターズ』だ。
もしゴーバスターズが特命戦隊で無く動物戦隊という架空の戦隊だったら・・・というパラレルワールドの設定なのだが、王道の戦隊ヒーローモノをしなかった反動がこれでもかという程に散りばめられかなりコミカルにコント仕様の作品になっている。
無駄に大声で必殺技を叫び、どこからともなくロボットが登場。コクピットは存在せず何となく操縦。決め台詞もいちいち臭く、登場シーンになると無駄に後ろで爆発して上がる煙。「戦隊ってこうだろ?こうなんだろ?」と言わんばかりに皮肉たっぷりの演出で真面目にゴーバスターズを見ていた人達がイイ意味で拍子抜けする作品となっている。
そんな皮肉的な反動たっぷりの作品を作ってしまう所からもとれる様に、意識的に従来の戦隊モノとは違う作風を目指したであろう『特命戦隊ゴーバスターズ』。
個人的にはここ近年の中でダントツ上位に入る作品なので是非!
【関連情報】
『MUTANT CAMP2017 in OSAKA』
日時:2017年3月30日(木)
会場:梅田CLUB QUATTRO
開場 18:00 開演 19:00
出演予定:BASI & THE BASIC BAND / SHINGO★西成 & DJ FUKU / KEN THE 390 / HISATOMI / KOPERU & ISSEI / RUDE-α / 梅田サイファーVS 渋谷サイファー and more
前売り : 4,200円(税込)/当日:4,700円(税込) *スタンディング(整理No.付)、ドリンク代別途必要、3歳以上チケット必要
主催/企画/制作:
NTTドコモ・PARCO・レインボーエンタテインメント・BROTH WORKS
※ dポイントカードの利用登録(無料)をするともれなく全員にドリンク代500円をキャッシュバック!!詳しくは会場内特設ブースにてご案内致します。
※ 出演予定アーティストは変更になる場合があります。
※ 出演者変更に伴うチケットの払い戻しは出来かねますので、予めご了承下さい。
問い合わせ:梅田クラブクアトロ 06-6311-8111
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