思っていることを言葉にする。もしくは思ってもいないことを言葉にする。気がつけばどちらも出来るようになっていた。
そして恋愛において後者は、センチメンタルポイントが高くなりやすい。
たとえば恋人にフラれたときの「さようなら」。
このひとことで今までの好きな気持ちが突然なくなるわけではないし、楽しかった思い出が砂浜に書いた言葉のように目を離した隙に波にさらわれ綺麗さっぱり消えてくれるわけでもない。それでも言葉にする。しなくてはいけないときがある。相手に伝える、というよりも、自分に言い聞かせるために。
「さようなら」言ったところで忘れられないんだけれど、言うんだ。いつか、気持ちが言葉に追いつくことを願って。
これがうまいひと、それがきっと大人だ。大人ってセンチメンタルな生き物だと思う。
さて、今週のセンチメンタル図鑑です。
・映画「ミスト」
センチメンタルポイント2 💔💔❤️❤️❤️
先のことなんてわからない。10年先も1年先も1分先も。
たとえば家を出て友達に会いに行く途中で居眠り運転の車に轢かれるかもしれないし、あの角を曲がったら初恋のひとと再会するかもしれないし、登録してない番号からの着信に出たら嫌いな先輩で無理やり飲みにいくことになるかもしれないし、何もないかもしれない。わからない。だから面白い。
だれも知らない”これから”はきっとみんなに平等で、そのなかで泣いたり笑ったり喜んだり悲しんだりしながら、それぞれに信じた日々を過ごして行く。
霧に包まれて見えない”これから” のこと。ミスト。
センチメンタルポイントは2。静かに苦しい、1度は見て欲しい映画。
・音楽「DREAMS COME TRUE / サンキュ.」
センチメンタルポイント5 💔💔💔💔💔
気の許せる友達に支えられ失恋を乗り越えていく。
実にハートフル。だけどもし、その支えてくれる気の許せる友達が、失恋したそのひとのことを好きだったとしたら…ぼくは涙が止まらない。
同じような経験がある。ぼくの好きなひとが失恋をして、泣きながらぼくに電話をかけてきたときのこと。「好きだったのに」「私じゃダメみたい」「くやしい」ひたすらに話を聞くのである。うん、うん、と相槌を打ちながらも込み上げてくる「ぼくならきみを泣かせたりしない。」的なひとこと。でも言えない。それは言えないのだ。ふたりは、友達だから。壊れてしまうかもしれない、あまりにも繊細な関係。あと一歩が踏み出せない。苦しいとき、だれよりもそばに、いつだっていられるように。それは恋人より、友達のほうが支えになれるときだってある、そう信じているからだ。いや、意気地がないだけかもなあ。
好きなひとからのありがとう、がちょっと苦しい。そんなセンチメンタルな名曲だと思う。
センチメンタルポイントは5。
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