あの夜、きみに好きって伝えていたらどうなっていたんだろう?
高2の夏だった。深夜2時、きみからの着信。眠かったけど出たんだ。
ぼくの親友から「付き合ってほしい」と告白された、という報告。「寝れなくて…ねえ!どうしたらいいと思う?」相談されてしまった。焦ったね、親友がきみを好きなことは知っていたけど、もう告白するなんて。困ったね、実はぼくもきみのことが好きだったから。
それなのに恋より友情!親友との友情プライスレス!と青春は暴走、親友のいいところを朝までプレゼンし気がつけば「付き合っちゃえよ。」と迷うきみの背中を強めに押していた。バカだ。「・・・うん。」そう言って電話を切ったきみは、その数時間後からぼくの親友と付き合った。1ヶ月くらいで別れてたけど。
そこから何だか疎遠に。ぼくの恋は燃えることも消えることもなく、ちょっとずつカタチを変えて、今もあの夜からぼくを見てる。きみはなんでぼくに相談したんだろう。気まぐれ?それとも…
あの夜には戻れない。それなのにあの夜より大人に、そして賢くなってしまった今のぼくが、”こうしたらよかったんだぜ!” と素晴らしいアイデアをだす。いまさら遅いのにね。
思い出、センチメンタル。さて今週のセンチメンタル図鑑です。
・音楽「およげ!たいやきくん/ 子門真人」
センチメンタルポイント5 💔💔💔💔💔💔
これは恋の歌だと思う。
たいやきくんは毎日鉄板の上で焼かれることが嫌だったんじゃない。店のおじさんに気づいて欲しかっただけなんだ。
好きだ、って。どうして恋をすると素直になれないんだろう。ケンカなんてしたくないのに、ただそばにいたいだけなのに、ぶつかってしまう。その朝、たいやきくんは鈍感なおじさんのもとを飛び出し海へ逃げ込んだ。本気じゃなかった。気づいて欲しかっただけ。おじさんに追いかけてきて欲しかったんだ。泳いだ、それはもう、ゆっくり。おじさんが追いつけるように。
2mほど潜ったところでたいやきくんは立ち止まり(泳ぎ止まり)地上を見上げた。 ”おじさん、追いかけてきてくれた?心配した?焦った?ねえ、ねえ、ふふふっ” だがそこにおじさんの姿はなかった。おじさんは思っていた以上におじさんで追いかける体力がなかったのか、たいやきくんなんてどうでもよかったのか、真実はわからない。たいやきくんは戻るに戻れず、おじさんを思い海中をふらふら漂い、こんな生活も悪くないな、なんて強がっていた。そんな矢先、見知らぬおじさんの罠にハマり釣り上げられ、見知らぬおじさんのたいやきとなり、食べられてしまう。好きなひとのそばにいたかった、ただ、それだけなのに。うまくいかないね。センチメンタルポイントは5。
・映画「陽だまりの彼女」
センチメンタルポイント2 💔💔❤️❤️❤️
もっと上手なやりかたがあるんじゃないか、そう思える恋は思い切り海にぶん投げてしまいたいほどに愛おしい。好きなひとに会いたくなる。好きなひととイチャイチャしすぎてそばにいられる尊さを忘れがちなカップルに見て欲しい。
あと浮気しまくってるチャラ男・・・いや、チャラ男は見なくていいや。
苦しいけど恋はいい。恋するすべてのひとに。幸せな気持ちになれる。センチメンタルポイントは2。
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