「PELICAN FANCLUB(ペリカンファンクラブ)」の楽曲を言葉で表現すると、キーワードとして「狂気」や「夢」をあげる人が多いようだ。どことなく嘲笑的で皮肉な歌詞と、かすかに甘いメロディー。音楽ファンならずとも必聴の、今期待される新世代バンドのひとつだ。今回は、そんな彼らの結成までの軌跡と、現在の活躍を紹介。
洋楽的なサウンドと、日本的なロックの要素も感じる彼らの音楽。
「PELICAN FANCLUB(ペリカンファンクラブ)」は2012年に結成されたロックバンドである。小中学校の同級生であるヴォーカル兼ギターを担当する「エンドウアンリ」とベースの「カミヤマリョウタツ」が高校時代に組んだバンドをきっかけに、ギターの「クルマダヤスフミ」、そしてドラムの「シミズヒロフミ」が加入して、現在の4人体制のメンバー構成となっている。彼らが影響を受けたアーティストは「BUMP OF CHICKEN」「Rediohead」など国も多岐に渡っており、邦楽と洋楽の双方のエッセンスを取り入れた独自の世界観は必聴だ。
音楽の趣味と方向性がマッチしたメンバーによる、独自の世界観。
「BUNP OF CHIKEN」をきっかけに仲が良くなったという彼ら。もともとの音楽趣味が合い、方向性がピタリとマッチしたメンバーで表現するその独特の世界観を、音楽ファンは狂気的なサウンド、と表現している。2014年にリリースしたシングルを皮切りに音楽通の間で話題となり、その後アルバムを立て続けにリリース。8月にリリースしたアルバム「ANALOG」では、テーマを「謎(はっきりわからない感覚/人の中にある痒い部分)」と定めている。メンバー曰く、感覚的にはシュルレアリスム的な、実像がなく得体のしれないもの、を表現しているとのこと。
聴く人それぞれの感覚によって印象が変化する歌詞にも注目だ。
アルバム「ANALOG」に収録されている楽曲「Dail」では、表現の自由とは何か、という疑問から歌詞が生まれたのだそう。実際には答えが明確ではない感覚でしか伝えることのできない部分を抉り取った歌詞は、聴く人がそれぞれ受け取り方も印象も異なる不思議な感覚を味わうことができる。このアルバムをきっかけに音楽通からの期待値が高まることとなり、インディーズレーベルである「DAIZAWA RECORDS」よりミニアルバム「PELICAN FANCLUB」をリリース。この発売を記念して全国各地を巡るツアーも開催され、見事成功を収めた。2016年にも新たにミニアルバムの発売も発表され、同時に全国ツアーも決定しており、これからの彼らの活躍から目が離せない。
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