絶滅危惧種とも言われている”ファンク”。このジャンルで挑戦的な音楽をしているのが”踊る!ディスコ室町”というバンドである。ご存知だっただろうか。平均年齢20代と、まだまだ若いのに、あえて昔ながらのファンクで攻めている面白いバンドだ。さらにこのバンドはファンクの掟を破ることで、新たな道を切り開こうともしている。注目すべきファンクバンドである。今回は、そんな新感覚ファンクの世界へ誘いたいと思う。
京都生まれ、アパート育ち。リズムグルーヴが最高に気持ち良い!
踊る!ディスコ室町は6人からなるファンクバンド。2012年6月に京都で結成し、アパートディスコ室町420号室で育った。2014年1月に一度、活動休止。同年5月にはメンバーを加え再始動。その後も何度かメンバー編成を繰り返し、現在の形に至る。
このグループの一押しは、何といっても今どき珍しいファンキーなサウンド。ブラックミュージックを尊敬したかのようなリズムを大事にした音だ。さらに細かいことを言えば、ファンクで重要なキーボードやシンセを使わず、あえてベースを強めに。そしてリズム隊にタンバリンを迎えたりすることで、跳ねるようなリズム感を作る。そこを重視している。
こういったこだわりは「HAのキヌぬがせ」という曲を聴くとよく分かる。ファンクで大事な、電子音のキュッキュッという音は無いが、あえてギターにディストーションをかけず、似たような音を出すことでファンキーなグルーヴを作り出している。これこそ新感覚ファンクだ。
「踊らないベイベ」日本で輝くファンキーサウンドここにあり
踊る!ディスコ室町の代表曲「踊らないベイベ」。まさに踊る!ディスコ室町を表現した作品。
この曲も先ほど紹介した「HAのキヌぬがせ」に似たこだわりを感じる。2本のギターを基調に、下からリズム隊が支える。そして『これでもか』と言わんばかりにベースが前に出る。もちろん電子音は無い。だがファンクらしいサウンドになっている。
特筆したいのは中盤のギターソロからの間奏。繰り返すコーラスと、何のエフェクトもかけないギター。それに乗っかるベースが、体を右へ左へと揺らす。一種のおちゃらけソングとでも言うべきだろうか。良い意味ではっちゃけられる音楽だ。
踊る!ディスコ室町の1つのこだわりに『好きな事をしたい』というのがある。この曲は、その『好きな事』がふんだんに含まれている。だからこそ、こっちも好き勝手に踊りたくなるようなサウンドなのかもしれない。パーティーで流すもよし。元気になりたい時に聴くもよし。CDを手に取ってみてほしい。
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