キーボードとドラムのデュオで編成された、インストゥルメンタルバンド「グッドラックヘイワ」は、自己紹介からしてあまり「平和」ではないような気がする。「さまざまな要素をでたらめなポップスの手法でパッチワークしたサウンド」。いや、これはある意味「平和」なのか…「でたらめなパッチワーク」は、どうしたってライブ向きの作風と見た。さっそくチケットを、手に入れねば!
「劇伴」作家の本領発揮? ピアノは音で「世界を表現」する
キーボードを担当しているのは、野村卓史。2015年に解散した「SAKEROCK」で、星野源らとともに活動していた。やはりSAKEROCKのメンバーだった伊藤大地とともに、「グッドラックヘイワ」を立ち上げたのは2004年だ。2010年には一度、活動を休止。2013年に再開して現在に至る。野村はこれまで、劇伴作曲家としても活躍してきた。普段はあまり気づかないけれど、劇中の大切なシーンを盛り上げるために不可欠なのが「劇伴」と呼ばれる挿入歌(音楽)だ。しんみりとしているシーンでは穏やかな雰囲気を醸し、恐怖に襲われるシーンでは緊迫感を煽り、喜びに浮かれるシーンではワクワクするような高揚感を演出する。インストゥルメンタルの世界、ことライブシーンでは、「音」で感情や情景を想像させる劇伴のテクニックが最大限に発揮されると思う。とにかくライブの人気が凄い理由の一端は、きっとここにある。
YouTubeのライブ映像で「歌うドラム」を確かめよう!!
ドラムを担当しているのは、伊藤大地。別名「歌うドラム」だ。「Good Dog Happy Men」など、ロック系をメインに多彩なバンドで活躍してきた。ライブを中心に活動しているグッドラックヘイワだが、もちろんCDも発売している。2006年に自主音源の1st CD「GOOD LUCK HEIWA」をリリース。2008年は2枚目のアルバム「Patchwork」を、続く2009年には3rdアルバム「THUNDER」を発売した。2010年は、プレミア盤シングル「flash車返Disc団地」を数量限定で送り出している。「歌うドラム」は、THUNDERの宣伝で使われたフレーズだ。ちなみに野村は「踊るピアノ」である。YouTubeでは、たくさんのライブシーンを「Galatic official」チャンネルで観ることができる。伊藤のドラムがどんなふうに「歌っている」のか、ぜひ確かめて欲しい。
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