今年も新潟県湯沢町苗場スキー場にて行われたFUJI ROCK FESTIVAL 2016(通称フジロック) 。
音楽好きならもちろん、そうでない者も一度は耳にした事があるであろう、日本で開催される夏フェスの一つだ。
「世界一クリーンなフェス」という面でも日本国内に限らず、国外からも注目されている。また、フジロックの特徴の一つとして挙げられるのは海外のバンドの出演数の多さだろう。
7月22日から24日までの三日間開催されたフジロックは、今年で20週年を迎えた。そんな記念の年に私、ニール・パティ・パティ・パティがギターを担当しているバンド、The Taupe(トープ)がROOKIE A GO-GO(通称ルーキー)のステージに出演を果たした。
今回は前編後編に分けて、出演するまでの経緯や準備、そしてライブ当日について書かせて頂く。
こちらを流しながら是非読み進めていただきたい。
フジロックフェスティバルには複数のメインステージがあり、他にも食事を楽しめるエリアやキャンプサイトといったライブを観る以外の楽しみ方が沢山ある。
ROOKIE A GO-GOのステージはフジロックのメインステージとは別に設けられた、フジロックの入場券を持っていない者でも入場出来るDJブースやサーカスの演目が披露されるエリアにある。
「新人アーティストの登竜門ステージ」と称されていて、一般応募から選ばれたアーティストが出演するステージとなっている。今年は1000通を越える応募の中、我々The Taupeを含む15バンドが出演を果たした。
なお、先程軽く触れたが、ROOKIE A GO-GOはフジロックのチケットを持っていなくても観る事が出来るのだが、この事実は意外と知られていない様だ。
(ルーキー出演時)
「新人アーティストの登竜門ステージ」と称されてはいるが、ルーキーに出演できれば未来は明るい!なんていう事は全くなく、出演バンドの半分は次の年には消えている、なんていう言葉を耳にする事もしばしば。
しかし、ルーキー出演バンドには大きなチャンスが一つある。
それは、 ルーキーに出演したバンドには翌年にメインステージに立てるチャンスが与えられる、というものだ。
フジロック開催期間中、ROOKIE A GO-GOステージ脇にて行われていた投票スペースと、来年行われるネット投票の二つで、一番票を集めたバンドがメインステージへの出演権を手にする。
もちろんThe Taupeも来年のメインステージを狙っているので、ネット投票が始まったら皆様には是非我々に投票していただきたい。
(投票場)
フジロックの公式サイトにてROOKIE A GO-GOの出演バンドのオーディション受付が3月から開始される。
ツイッターをやっている方は夏のこの時期、「◯◯フェスへの出演がかかっています!自分のバンドに投票してください!」といった内容のツイートを見た事があるのではないだろうか。
こういった投票のシステムはルーキーの出演をかけたオーディションには含まれていない。なんと音源審査のみで出演が決定するのだ。
どういった点が重視されるのかなどは一切不明。
出演した私たちですら、何が出演の決定打となったかを知らされる事はなかった。
この選考を勝ち抜いたルーキー出演バンドのオフィシャル発表は7月上旬に行われたが、我々の元に連絡が来たのは6月の中旬であった。
合格通知は代表者(The Taupeの場合はギターボーカルのかわもトゆうき)の元へ直接電話がかかってきて、そこで出演決定を告げられる。
私は応募していた事すら忘れていてのうのうと暮らしていたのだが、かわもトは6月に入ってからそろそろ合格通知が来る頃だろうと思っていたようだ。
そして6月某日、かわもトの元に、The TaupeがROOKIE A GO-GOへの出演が決定した事を告げる電話がかかってきて、これを受けたかわもトは震えたそうだ。
その後、The Taupeのグループラインに「ルーキー出演決定」を伝える旨のラインが送られてきた。
私は連絡があった時間帯にサポートでギターを弾いているバンドのライブがあり、ルーキー出演を一足遅れて知ったのだが、私以外のメンバー3人がグループラインで大盛り上がりしていた。
ラインを読んでも正直全く現実味が無かった。
この連絡が嘘だとは思わなかったが、圧倒的な驚きが勝って感情がついてこなかったのだろう。
(初日のルーキー出演者)
このROOKIE A GO-GOに関しては一般応募という事もあってか、周りのバンドマンが多くの噂を囁いていた。
例えば、決定候補のアーティストのライブをこっそりフジロック関係者が見に来ている等というものから、オーディション受付が始まっている時点で既に出演が決まっているバンドがいるだとか、来年のメインステージに立つバンドが投票関係無しに既に決まっているだとか、等々。
後者の噂話なんかは出演出来なかったバンドマンの妬み僻みから流れた噂にも聞こえなくもないが、私自身実際はどうなのか気になっていた。
しかし、一つも真偽を確かめる事は出来なかった。
これらはあくまで周りから私の耳に入った噂を記述したまでだが、これ以上書くと私が消されるかもしれないのでここらへんに留めておこう。
*実際の応募要項などの詳しい情報は公式サイトを参照してください。
出演が決定してからは本番に向けての準備が始まった。
ライブ当日のセットリスト(演奏する曲目と順番)を決め、ゲネリハ(本番を想定したリハーサル)を行う等の音楽的な準備はもちろん、ルーキー出演決定を大々的に明記したポスターの作成、宣伝材料の準備等の、音楽以外でも様々な事に取り掛かった。
ある時、The Taupeを担当してくれている方(以降マネージャーと記す)に「The Taupeにとってのポップソングはどれか?」と質問された。
そこで、メンバーそれぞれの”ポップ”の解釈を元に、どの曲が「ポップソング」に該当するかを伝えた。
ところがマネージャーの考える「ポップソング」と、答えが一致するメンバーは居なかった。
マネージャーの答えは「GORILLA GORILLA GORILLA」だった。
The Taupeの音楽はどの曲も特徴的であり、展開が特殊なものが多く、一概にどういったジャンルなのかを 伝えるのがメンバー自身困難である。
そんな中、この「GORILLA GORILLA GORILLA」という曲はサビに当たる部分でボーカルのかわもトゆうきが「ゴリラゴリラゴリラ」と高音のシャウトを連発し、ライブ中はメンバー全員が大暴れしている。
この曲は強烈な印象を残すとの事で、我々がライブをする上で外せない一曲だろう、と言われた。
The Taupeは今年の2月に4曲入りのE.P.「ダークではありません」をリリースしている。
その中に収録されている「FICTION」という曲でPVを制作し、YouTubeで公開したところ今までにない勢いで再生され、未だに再生回数は増えていっている。
YouTubeでThe Taupeの映像を見たという方の多くはこの曲を聞いたであろうという事で、「GORILLA GORILLA GORILLA」に続き、この曲もルーキーのステージでやる事にした。
この様にしてセットリストを決めていった。
ルーキーを想定したセットリストでライブを行い、実際にやってみた自分達の感触やそれを聞いたスタッフとマネージャーの意見を交えながら曲目に修正を加えつつ本番のセットリストを決めた。
ルーキーの演奏時間は30分と決まっていて、この時間を押す(演奏時間を越える)のはもちろん、巻く(演奏時間よりも早く終わる)のもいけないとマネージャーに言われた。
押すのがダメなのはライブハウスに出ている身なら当然のごとく分かっているだろうが、巻くのもよくないというのは意外だった。
来年以降、こういった一般応募からフェスに出るバンドは是非参考にして欲しい。
(ルーキー出演時、後ろの方からの写真)
ルーキー出演が決定したThe Taupe。セットリストも最終決定し、いよいよバンドは苗場に向かう。
後篇では実際のセットリストに沿い、フジロック・フェスティバルのライブ映像もフルに交えながら、生まれて初めて苗場のステージでライヴを行った当人の手によるライブ・レポートをお届けします。
2017年初頭、1st Full Albumの全国リリースが決定したThe Taupeの苗場でのステージを、あますところなくお伝えします。
お楽しみに!
■Release情報
2017年初頭、1st Full Album 全国リリース決定!!
詳細はコチラで要チェック!!
https://twitter.com/the_taupe_
■LIVE情報
2016.08.26 @新宿JAM
2016.09.05 @新宿LOFT
2016.09.28 @吉祥寺Planet K
2016.10.10 @新宿JAM w/KING BROTHERS
2016.11.04 @新宿JAM
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The Taupe
(左から)ニール・パティ・パティ・パティ(Gt)/おのてらえみ(Vo/Ba)/かわもトゆうき(Vo/Gt)/しょーへい先生(Dr)
公式サイト:http://rcrnq890.wix.com/taupe
文:ニール・パティ・パティ・パティ
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