7!!(セブンウップス)、初ベストアルバム「ALL SINGLES BEST」をリリース。過去作とともに思い出を振り返る。
メジャーデビュー7年目を迎えた沖縄出身・在住の男女4ピースバンド7!!(セブンウップス)が、遂に初ベストアルバムをリリースした。今作は2011年のデビューシングル「フォーリン・ラブ」から最新作「きみがいるなら」までの全シングルを網羅した、まさにスペシャルな1枚だ。今回のインタビューでは“音楽は記憶の引き出し”というテーマのもと、これまでにリリースした作品を交えながら当時の思い出を語ってもらった。そして、ラストには年内で脱退を発表したMICHIRUに向けてメンバーから涙(!?)の一言が!
Photography_西田香織
Text_真貝聡
Edit_金井悟
エンドロールで自分たちの名前が出た時は鳥肌が立ちました
――今回のベストアルバムは、デビュー7年目を記念したリリースになります。振り返ると長かったですか?
MICHIRU : あっという間でしたね。(机に並んでいるCDを指して)こうやって見返してみると、出したな〜って思いますもん。
――そもそもデビューは7年目ですが、バンドの結成は14年目ですよね。
NANAE : こんなに続くなんて、まったく思ってなかったです。
MICHIRU : 元々、バンド自体もライヴを一度やったら終わりにする予定だったので。こんな十何年も一緒にいると思いませんでしたね。
――当時は高校を卒業したら、すぐにメジャーデビューできると思っていたそうですが、実際は7年かかりました。その期間はどうでした?
NANAE : デビューをするって決めて、高校卒業後は進学せずにみんなバイトを始めたので、さっきも言った通り、すぐにデビューできると思ってて。それから7年間はただバイトをこなす日々で、とにかくもどかしかったのを覚えてますね。どうやったら良いんだろう……っていう。
KEITA : それもあるし、デビューが23歳だったから「これ、普通に進学出来たんじゃね?」みたいな。
――大学や専門学校に行っても間に合ったんじゃないか、と(笑)。
KEITA : ただ、大学を卒業してたらバンド自体は続かなかったかもしれないけど。
NANAE : 違う目標が見つかってたかもしれないけどね。
――デビューした途端に目覚ましい活躍をしましたよね。2011年は『フォーリン・ラブ』、『ラヴァーズ』、『バイバイ』をリリースして、そのどれもが映画やアニメの主題歌に起用されました。
MICHIRU : 『フォーリン・ラブ』が主題歌になった映画(『高校デビュー』)を観に行かせていただいたんですけど、エンドロールで自分たちの名前が出た時は鳥肌が立ちましたね。「これが世に出すってことなんだ」って。
KEITA : 関係者だけの試写会というのが初めての経験だったし、東京もあんまり行ったことなかったから。そこで普段は会えない方々に囲まれて映画を観て、エンドロールで自分たちの曲と名前が出たときは感動しましたね。
――ちなみに『フォーリン・ラブ』をリリースした頃、MAIKOさんがハッピーターンを食べ過ぎて太ったエピソードがありましたね(笑)。
NANAE : めっちゃ懐かしいっ! 好きだったね。
KEITA : 一時期、ブログでハッピーターンが大好きって公表をして。差し入れを貰いすぎて、ちょっと嫌いになりかけたよね(笑)。
NANAE : 「食べきれない」ってね。
MAIKO : ふふふ、送ってくれたみんなありがとう。
――『ラヴァーズ』では、MVを撮るために朝6時から起きて、長時間の撮影という過酷な経験をして(笑)。
MAIKO : めっちゃ時間かかって。
KEITA : ああ、そうだ。
NANAE : すごい、その時にいたかのような記憶力ですね。
――念願のメジャーデビューを果たした1年目は皆さんにとって、どんな年でしたか?
MICHIRU : デビューして、右も左もわからない状態だったから、本当に一つひとつの仕事が新鮮で。仕事をしながらバンドも成長している時期でした。特に『ラヴァーズ』に関してはアニメ『NARUTO-ナルト-疾風伝』のオープニングテーマだったので、海外の方からもファンレターやメールをもらって、自分たちの音楽が日本以外にも届くっていう不思議な感じがありましたね。デビューするってこういうことなんだなって。
NANAE : 『バイバイ』に関しては、アニメ『君と僕。』が沖縄でやってなくて。第1回目の放送をたまたま東京で観ることができて、MAIKOと2人で夜遅くまで起きて、私たちの曲が流れるオープニングを観て興奮してました。
MICHIRUだけ腰引けてるじゃないですか、ぎっくり腰だったんですよ
――2012年には『スウィート・ドライヴ』がリリースされましたね。この年はキマグレンのツアーでオープニングアクトを務めました。
KEITA : ああ、そうだ。アコースティックツアーで俺が初めて、人前でアコギを弾くっていう。これはめっちゃ覚えてる。
MAIKO : めっちゃドキドキだよな。
KEITA : 梅田のライヴハウスだったかな、緊張しすぎてギターのフレーズが「タンタンターン」だったんですけど、震えすぎて「タタタタタタタタタン」って。
――北斗神拳みたい(笑)。
MAIKO : 逆にすごくない!?
KEITA : めっちゃ強くピックを握りしめているのに、落としそうになるくらいプレッシャーを感じてましたね。
MAIKO : あとはミッチーがぎっくり腰になって。
MICHIRU : あったねー!
KEITA : 『スウィート・ドライヴ』のジャケットでみんなジャンプしてるのに、MICHIRUだけ腰引けてるじゃないですか。あれ、ぎっくり腰だったんですよ。
――え! 演出じゃないんですか?
MAIKO : 違うんですよ。ただのぎっくり腰(笑)。
MICHIRU : この撮影で初めて腰をやってしまって。
KEITA : 撮影始まる前にやったもんな。
MICHIRU : 「みなさん、トランポリンで撮影するのでリハーサルしてくださーい!」って言われて、跳んだ瞬間にギクって。まだ私服のままだったんですよ。
KEITA : 衣装にすら着替えてないっていう。
――あははは! ちなみにこの年は初の海外ライヴ、初のワンマンライヴも経験しましたね。
NANAE : インドネシアに行ったよね。
MICHIRU : インドネシアは楽しかったね、エネルギーが凄かった。
KEITA : 初ワンマンは原宿のアストロホール。
MICHIRU : 無我夢中すぎて、何を演奏したのか覚えてないな〜。
NANAE : なんか、終わった後の打ち上げでボロクソ言われたのしか覚えてない。
KEITA : あとは音楽の専門学校をツアーで周って。それは学生さんがセットや美術品を全部手作りしてくれたライヴだったんですけど。何年か経ってから、「あの時(ライヴに)来てもらった学生です」って挨拶してもらって。話を聞いたら、卒業して舞台を作る仕事についてて、それでお互いにプロとして再会できた時は嬉しかったですね。
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