圧倒的なスケール感が、日本人離れしている。2013年末、ストリーミングサービスで発売したEPが注目を集めた頃、彼らはまだ20代になるかならないか、だったという。それでも当時のインディーズシーンではすぐに「世界レベルの豊かな音楽性」が認められ、海外アーティストとのコラボも加速していく。急拡大していく「Ykiki Beat」の世界を創り出したのは、類まれな音楽性と日本人離れした英語使いの「巧み」だった。
英語のチカラを教えてくれる、世界初の純日本人バンドかも
Ykiki Beatのメンバーは、ギター・Nobuki AkiyamaとKohei Kamoto、シンセサイザー・Koki Nozue、ベース・Yotaro Kachi、ドラム・Mizuki Sekiguchi、ボーカルはAkiyamaが主に担当する。バンド名の読み方は「ワイキキ・ビート」。
平均年齢23歳(2016年現在)の若き5人組「Ykiki Beat」がさらに広く知られるきっかけになったのが、2014年に7inch盤でリリースされた「Forever」だった。YouTubeで公開されたMVを見た人々が絶讃。外国のリスナーからも「Amazing!」の声が届いた。
リスナーが圧倒的に驚いた理由は、全編英語で綴られた圧倒的なスケール感や幅広い音楽性にある。
日本人リスナーからのコメントにも、「洋楽やと思って聞いたら日本人でびっくりして」「日本人バンドだと知って驚き、衝撃」など、MVを見て初めて、日本の若者たちが演奏していることに気づいた時のショックぶりが、垣間見える。まさに「おっさんの時代、こんなのおらんかった。今の若者すごい!」である。
ちなみにYouTubeで「Forever」の視聴回数は、公開されてから約30ヶ月で170万回を突破している。
唯一無二の「心地よさ」が、自然に広がることを期待
そして2015年7月、待望の1stアルバム「When the World is Wide」がリリースされた。「The Running/Modern Lies…」など、Ykiki Beatの集大成ともいうべき多彩な楽曲が収められている。
どのタイトルも歌い手のスタンスがとても自然体で、気負いがない。ライブ感が、さらに強い印象だ。同時に全編で、音の波そのものにふわりと包み込まれるような、なんとも言えない心地よさが味わえる。
「将来の日本の音楽を牽引する存在になってほしい」というコメントを、The Runningのチャンネルで見つけた。同感。
もちろん、無理をしなくていい。Ykiki Beatにはゆったりと自分たちなりのスタイルを貫き通して欲しい。そのスタンスはおそらく、次世代の若いアーティスたちに自然に受け継がれていく。
少なくとも今、ほぼ唯一無二の存在であることは、間違いないのだから。
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