「sub/objective」の衝撃から約1年半。最新作となる「SKY’s the limit」までぼくのりりっくのぼうよみは変幻自在な姿を僕らに見せてくれている。たとえばクラウドファンディングを見事達成しオウンドメディア「Noah’s Ark」をスタートさせたり、ドラムンベース楽曲を映画主題歌として見事に成立させてしまったり、はたまた女装姿を披露したりと、毎回驚きが絶えない。今回はそんなぼくりりがこれまでに公開したミュージックビデオを改めて振り返ってみたい。彼は予測不能な存在だ。
1.ぼくのりりっくのぼうよみ「sub/objective」
ここから全ては始まった。「日本の音楽シーンを震撼させる驚愕の17歳、デビュー」のキャッピコピーがつけられたこのミュージックビデオ「sub/objective」は、キャストに池田エライザ、池田大、吉村界人が起用されたこともあり、公開直後からSNSでとてつもない数のリアクションを集めていたことを覚えている。BUMP OF CHICKENや[Alexandros]のミュージックビデオなどで知られるA4Aの東市篤憲による巧みな映像表現が絶妙にぼくりりの楽曲とマッチし、公開から1年半が経った今でも僕らに新鮮な驚きを与えてくれる。
2.ぼくのりりっくのぼうよみ「CITI」
「sub/objective」の衝撃から1ヶ月。池田エライザ、池田大、吉村界人、前作と同じ3人のメインキャストが揃って再び撮影されたのがこの「CITI」だ。「タカラバコ」でメジャーデビューし、今後ぼくりりの盟友ともなるササノマリイがトラックメイクを手がけており、この楽曲は後にササノマリイ自身の手により「Re:verb」として新たに生まれ変わることになる。2つを聴き比べてみると面白いのでぜひあわせて聴いてみて欲しい。
ササノマリイ
ササノマリイ「Re:verb」(Official Video)
3.ぼくのりりっくのぼうよみ「Sunrise(re-build)」
シリーズのいったんの締めくくりがこの「Sunrise(re-build)」。海辺で笑いながら舞い踊る三人の姿はあまりにも美しく、ぼくりりの伸びやかな歌声がそっと彼女たちを包み込む。「sub/objective」、「CITI」、「Sunrise(re-build)」の3部作とも呼べるミュージックビデオの連なりは何度でも見返したくなるような優しさ、狂気、青い光を纏っているようだ。
4.ぼくのりりっくのぼうよみ「Newspeak」(Official Video)
連作が終わり、「次はどんな動きを見せてくれるんだろう」と世間が注目する中公開されたのがぼくりり自身が監督を務めた「Newspeak」。あまりにも有名なジョージ・オーウェルのディストピアSF小説「1984年」の中に登場する架空の言語”ニュースピーク”がタイトルにつけられたこの楽曲のミュージックビデオでは美しく流れ漂うタイポグラフィがフィーチャーされており、彼の言語世界の広がりを思う存分堪能することが可能だ。歌声はもちろん、「言葉」に最大の魅力があるのがぼくりりだと思う。
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