「ハジメファクトリー」って間違えられますが、正しくはハジメファンタジーです。
よろしくお願いします。今週のセンチメンタル図鑑。
・映画「クローズZERO」
センチメンタルポイント3 💔💔💔❤️❤️
無遅刻無欠席で高校を真面目に卒業してしまったぼくにとって、不良は憧れの存在だった。校則なんてお構いなしの金髪ピアス。タバコ。ケンカ。不登校。夜遊び。ギャルのジョカノ。やりたい放題な彼らだが、仲間のことになるとすこぶる熱い!そんな不器用だけど真っ直ぐなワルにぼくは憧れていた。
高校3年生の秋、大学の指定校推薦が決まった真面目くんが先生にタバコを見つけられ、推薦を取り消されそうになっていたことがある。そのとき、たまたま学校にきていた不良が何となく空気を読み「俺が買わせたんだよ!そいつが吸うわけねえじゃん!」と罪を被っていた。真面目くんはそのあと不良に呼び出され、泣きながら財布から何か出していたような気もするけど、肩たたき券かなにかだろう。そんなことはどうでもいい。大人になった今も、ぼくはワルの美学で痺れるため不良映画を見る。ただこの手の映画で厄介なのは、見終わると自分も”ワルになった”と勘違いしてしまうところだろう。
案の定、クローズZEROを見終わって、ケンカが強くなった(気がしていた)ぼくは、友達に会いにいくとき、ヘヴィロテのネコの絵が描かれたTシャツを無視、いつ買ったかもわからない柄のYシャツをタンスの奥から引っ張り出しボタンを4つ目まで開け、お母さんから借りた金のネックレスをつけ家を出た。肩で風を切りガニ股で待ち合わせ場所に向かっていると、後ろから突然肩を掴まれた。え、早速ケンカ・・・?こわ・・・・心の準備ができていなかったファッション・ワルなぼくは心からビビった。リアル・ワルに出くわしたところで勝てるわけがない。後悔をした。財布を出す準備をしながら、恐る恐る振り向くとそこにいたのはみんなの味方、お巡りさんだった。職務質問をされすでに手に持っていた財布から免許証を出し、丁寧な口調で質問に答えることでファッション・ワルはすぐに見破られ解放された。その後友達と合流。会った瞬間「服ダッサ!」とバカにされYシャツのボタンを1番上までとめなおし、ごめん、急用ができたといってすぐ家に帰りお母さんに金のネックレスを返し、いつもより早めに寝た。
センチメンタルポイントは3。
・音楽「どんぐりころころ」
センチメンタルポイント5 💔💔💔💔💔
すれ違う恋の歌だと思う。
山の木から落ちたドングリが池にはまって困るのだけど、心優しいドジョウが面倒をみてくれる。なんだ、池の中も悪くないじゃん!ドングリはドジョウのおかげで池の生活にも馴染み、いつしかふたりは池より深い恋に落ちていた。時が経つにつれ、ドジョウの優しさに甘え「やっぱ山に戻りたいなあ」とわがままを言うカマッテチャン・メンヘラことドングリ。ドジョウだって、大好きなドングリを故郷の山に帰してあげたい。家族も心配しているだろう。でもいっしょにもいたいから、ドングリが山に帰る術がないことを喜んでしまう自分もいて、悩んだりもした。だけどある日、子リスが現れあっさりとドングリを山に連れ帰ってしまう。ドジョウは言います。「よかった。故郷に帰れるんだ。元気でね。」相手の幸せを願い、自分の気持ちを押し殺す・・・ドジョウ・センチメンタルである。だけどきっと、山へ帰る途中にお腹を空かせたリスはドングリを食べてしまうんだ。ドングリがドジョウのかけがえない愛に気づくときには、もう・・・センチメンタルポイントは5。
※子リスの登場は平成以降、追加されました。
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