2月25日(土)、東京南青山スパイラルホールにて、『蓮沼執太フィルハーモニックオーケストラ ミーティングプレイス』が行われました。
蓮沼執太フィルハーモニックオーケストラ(以下:蓮沼フィル)とは音楽家・作曲家の蓮沼執太によって2010年に結成されたアンサンブル集団。オーケストラといっても、厳密には一般的なオーケストラとは異なります。
今回の出演者は、蓮沼執太をはじめ、石塚周太(B, G) イトケン(Dr, Syn)大谷能生(Sax)葛西敏彦(PA)木下美紗都(Cho)K-Ta(Marimba)小林うてな(Steelpan)ゴンドウトモヒコ(Euphonium)斉藤亮輔(G)Jimanica(Dr)環ROY(Rap)千葉広樹(Violin, B)手島絵里子(Viola)宮地夏海(Flute)三浦千明(Flugelhorn, Glockenspiel)
という顔ぶれ。
蓮沼執太フィル復活公演2Days。初日は16時から当日券販売します。当日でも出来るだけ入れるように頑張ります!18時半開場、スパイラルホール。 pic.twitter.com/31gK3gmylv
— 蓮沼執太 Shuta Hasunuma (@Shuta_Hasunuma) February 25, 2017
(2/25 開場前のツイッターより。)
今回は2014年の蓮沼フィル全国ツアーから、蓮沼フィルとしての公演はしばらくぶりであるということと、会場内にいるお客さんたちも、とてもわくわくした表情でオープン待機していました。
さて、本公演の様子をお伝えする前に……。まずここで蓮沼執太っていったいどんな人?オーケストラって聞くと、ちょっととっつきにくそうだ……などと思われる方の為に、少しだけ説明をさせてください!
①蓮沼執太ってどんな人?
蓮沼執太は1983年東京生まれのアーティストで、2006年大学4年生の頃にアメリカのインディーズレーベルよりデビュー。大学時代には環境学を専攻し環境音をレコーディングしていたことが、音楽の道への繋がりだったそう。以来自身の楽曲制作の他、大手企業の宣伝の為に音楽を提供したり、数々の映画や舞台などともコラボレーションもしています。
(2017年1月、森山未來企画・主演舞台『JUDAS, CHRIST WITH SOY ~太宰治「駈込み訴え」より~』 この作品ではステージ上手側で舞台に合わせて生演奏を披露)
また、こちらのTVCMをご覧いただければ「あ!聴いたことある」と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
(水原希子出演 ヘアードライヤーナノケア(EH-NA98)「速く、美しく篇」TVCM 30秒ver.【パナソニック公式】)
また、ここ最近では2/22にタブラ奏者U-zhaanとの共同制作アルバム『2 tone』をリリースしています。
(蓮沼執太 & U-zhaan – A Kind of Love Song feat. Devendra Banhart (Official Video) 公演後には、終演後U-zhaan本人が物販会場にも登場しました。)
②オーケストラってどんな感じなんだろう。
正直な話……私は普段の生活してきた中でオーケストラに触れたこと等ないのが現実でした。唯一あったとすれば、私の妹が高校時代に県内屈指のオーケストラ部に在籍していたことぐらいでしょうか……?オーケストラと聞くと敷居も高そう。「というかそもそもオーケストラっていったい何なんだろう?」と思ったところに、次のような文章を見つけました。
オーケストラとは、この世に存在する一番大きな楽器だと考えてください。ピアノやヴァイオリン、フルートやトランペットなどは、その楽器の持つ特徴的な音によりいろいろな音楽を創り出しますが、一つの楽器ではその表現に限りがあります。オーケストラはいろいろな楽器を揃えているので、その表現の可能性には限りがありません。
(中略)オーケストラは人間の抱く怒り、恐れ、慰め、祈りなどあらゆる感情や思想まで表現できるのです。これらは文字でもなかなか表現しにくいものですが音楽なら表現できるのです。しかも世界の人類、誰でも一瞬にして理解できてしまうのです。
(引用元:日本オーケストラ連盟 オーケストラとは)
「この世に存在する一番大きな楽器だと考えてください」
この1文にすっきりとしました。それそのものが楽器だと思えば理解は早いです。
また、今回の蓮沼フィルもそうですが、「オーケストラ」という語の前につく「フィルハーモニック(フィル)」という言葉も気になりますね。分解すると「phil-(愛する)/harmonic(調和=音楽)」という意味になります。他、この1語で交響楽団という意味を指したりもします。
③ 会場 南青山「スパイラルホール」について
最後に本公演の会場となったスパイラルについても少し。
表参道駅を出て、渋谷方面を向いてすぐ左手側に見える、まさに表参道っぽい様相をした9階建てのビル「スパイラル」は、複合文化施設として存在しています。ホールはビルの3階ですが、1階にはカフェ、1階から2階に続く階段にはギャラリースペースがあります。このギャラリースペースは、あのラーメンズの小林賢太郎氏も展示に使用していたこともありました。また、特に2月末から3月にかけては毎年多摩美術大学や東京造形大学の学生による、卒業展示会が行われています。
(筆者撮影。この日はスパイラルギャラリーにて多摩美術大学工芸学科の卒展が行われていました。)
私も何度かギャラリーには足を運んだことはあるのですが、ホールまで見たことはありませんでした。実際、ホワイエはゆったりとした落ち着いたスペースですが、ホールの中は板目張りで、何も置かない状態だとただただがらんとしています。確かによく用途を調べてみると「多目的ホール」と書いてありました。収容人数は350名ほど。
そのフロアの真ん中に高さ30~40㎝位の台が置かれ、その上に譜面台などがセットしてありました。
2014年のツアー時にはまだお客さんにも椅子が用意されていたようですが、上の写真の様に本公演はその用意はありませんでした。
開演までの時間は立っての待機かなぁと思っていたのですが、係の方が「どうぞよろしければ床にお座りになってお待ちください」と案内。ちょっと冷たい板目のフロアに腰を下ろす人々の様子はまるで学校のホールに集まってきた生徒たちの様にも見えました。ただ1つ圧倒的に違うのは、多くの人たちがビール片手に座っていたことかな……(笑)
次のページは会場全体が不思議な魔法にかかった2時間のステージの様子!
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