ガールズラップクルー・校庭カメラガールツヴァイのラストライブ 『Dazed and Confused』が1月13日、渋谷WWW Xにて行われた。
ミーティアでは彼女たちのラストライブに密着、水曜日のカンパネラ、Squarepusher等のVRを手がける全天球映像作家・渡邊課の全面的な協力のもと、ステージの模様の一部をVR映像にて収録した。
Post from RICOH THETA. – Spherical Image – RICOH THETA
こちらは後日、ミーティア、及びYouTubeのミーティアチャンネルにて公開予定だ。お楽しみに。
今回は、彼女たちのラストライブの模様をお届けしたい。
Text_Arato Kuju
Edit_Arato Kuju
360 Photo & Photo_Watanabe-ka & Arato Kuju
コウテカ2は自由なダンスフロア!
18時半の開場時刻を迎えると、会場の渋谷WWW Xのフロアには校庭カメラガールツヴァイの最後の姿を見届けようと集った大勢のファンの熱気に覆われた。
バーカウンターの向かいには、ファンが自主的に作った校庭カメラガールツヴァイへの感謝を伝えるポップが飾られていた。
(コウテカ2のファンが会場に自主的に用意したポップ。愛が詰まっている)
19時半を過ぎ、暗転した会場の中、もるももるがステージ上に姿を見せた。
真っ暗なステージの上、DJ機器から漏れる明かりがロウソクの火のように薄ぼんやりと彼女の顔、そして真っ赤に染め上げた長い髪を照らす。
しゅがしゅらら、ののるるれめる、うぉーうぉーとぅーみーも厚い暗幕を張ったかのように暗いステージに歩みを進め、校庭カメラガールツヴァイの解散ライブが始まった。
『タペスチュア』に続き、壇上の闇の中でWWW Xの重低音を引き立てるような音響システムに乗せて流れ出したのは『Tyranno』。
ディープ・ハウスを思わせる緩やかかつ陶酔感を誘う楽曲であり、その上に四人のラップやコーラスが何重にも重なっていく。
校庭カメラガールツヴァイのライブの特徴はほとんどMCを挟まずにノンストップで曲がミックスされ続けることだ。
その特徴はラストライブでも変わらず、この日もMCらしいMCのコーナーは中盤に一つ用意されていたのみ。
その時間帯を除いては、メンバーは止まること無く歌い、踊り続けファン達もハイネケンの瓶を片手にモッシュし、ダイブし続けていた。
まさにメンバー・しゅがしゅららの最後のMCでの言葉を借りるなら「コウテカは自由なダンスフロア」!
切れ目なく、繋がれた三曲目は『Post office Crusher』。
依然として、会場のWWW Xの照明は全て切られたままだった。
客席からでは四人の顔も服装も判別することが難しく、視覚は剥奪されたも同然の状態だった。
これでは目隠しをされたまま、聴覚を延々に刺激されているようなもの!ヘヴィーなテクノ・サウンドが会場の温度を徐々に上げていく。
校庭カメラガールの愛称『コウテカ』のインスパイア元となったグループ『オウテカ』を連想させるような、ダークかつ熱を帯びたサウンドだ。
客席は奇妙な高揚感に包まれ始めていた。
(Autechre(オウテカ) – bladelores)
会場が明転。『Wedge Sole Eskimo』を絶唱!
続く『Wedge Sole Eskimo』 のイントロが流れ、歌が始まると、明転した客席から大歓声が上がった。
パワフルなメロディとラップ、トランス、曲間のブレイクビーツが融合され、サビではメンバーと観客が共に左手を斜めに突き上げる振りを行う一曲だ。この曲での四人の歌声はまさに絶唱と呼ぶに相応しい。
校庭カメラガールツヴァイの前身、校庭カメラガールの時代から歌い継がれてきた曲でもあり、会場は待ってましたとばかりに興奮が大爆発!
ディスコ・サウンドからの影響を感じさせる『Puppet Rapper』、ポエトリー・ラップ調の『Curtain Call』といった楽曲が立て続けに披露された後、センターの位置に立ったうぉーうぉーとぅーみーがニヤッと笑い、スピーカーから流れ出したのは『Dance with Mr.Lonliness』!
(校庭カメラガール / Dance with Mr.loneliness @サワソニ野外フェス)
中低音域の声にハリとキレがあり、ボーカル、ラップ共にスキルフルな印象があるうぉーうぉーとぅーみーは白のドレスを身に纏っていた。
その他には特徴的なアイテムを身に着けていたわけではなく、シンプルな出で立ち。ジャストフィットというよりはややダボッとしたシルエットのドレスのサイズ感が絶妙で、まさに「ガールズラップ」といった感がある。
赤のドレスを着用、赤のヘアアクセサリーで頭部にポイントを作っていたもるももるは他の三人の後方でDJプレイをしつつ、度々前に出てきては喉をぐっと絞り、USの女性ラッパーや2NE1を始めとする韓国のガールズグループの本格的なラップ・パートを想起させるような歌声を披露した。
校庭カメラガールツヴァイのラストライブ、前半戦最後の曲は『Lost in Sequence』。一旦舞台袖に下がっていった四人。
次のページは「校庭カメラガールツヴァイ、四人の最後の言葉」。
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