Text_MIIM
Photo_Hiroyuki Dozono
ディープで、濃密な時間だった。
アシッドジャズを取り入れ、素晴らしいグルーヴを鳴らすバンド・Nulbarich（ナルバリッチ）が2月3日に「渋谷WWW」で1stワンマンライブ『Guess Who?』を開催した。チケットは即日完売、会場はもちろん満員で、ステージ脇の上り階段までお客さんが溢れ返るほどだった。ワンマンライブは初めてということもあり、Nulbarichの登場前から「楽しみだね！」「わくわくする」といった声が客席から聞こえてくる。ファンにとっては待ちに待ったステージだっただろう。
そんなNulbarichがクールに登場し、イントロダクションの後、ボーカルのJQが「こんにちは、今日は楽しんでいきましょう！」と告げ、ライブはスタート。抜けたスネアの音と、ファンキーなベース、リズミカルなギターと、太いシンセの音色が絶妙なグルーヴを生み出し、客席は体を揺らしてそのサウンドに応える。時折挟まれる「キメ」も非常にかっこいい。
演奏された、彼らの1stシングル表題曲でもある『Hometown』ではサビの「I say hello ,hello ,hello I’m on a roll」「Here I come the party is over, over, over」の部分でJQの歌声にあわせて一緒に楽しそうに歌うファンの姿が印象的だった。キラーチューン『NEW ERA』では、イントロが流れた瞬間、それまで動いていた体をさらに一際大きく揺らす人が増え、この楽曲の人気の高さを改めて体感する。手拍子をしながら、本当に楽しそうにしている人々の姿がキラキラと輝いてみえた。
「笑顔で楽しんでいきましょう！」とJQが叫ぶとNulbarichの曲の中でもトロピカルでサーフな要素を強く感じるナンバー『Ordinary Boy』を披露。後ろのスクリーンに映し出されるオレンジ色のグラデーションカラーも相まって非常に心地良い。その後「ここからはちょっとお楽しみTIMEです」と告げられ行われたBand Sessionコーナーでは、それぞれのパートのソロなど見所もたっぷりで、演奏陣の確かな技術を感じさせてくれた。特にベースソロでは、マーカス・ミラーばりのドープな演奏に鳥肌が立ってしまうほどだった。
いよいよライブは終盤戦へ。先日ミュージックビデオが公開され話題を呼んだばかりの『Lipstick』がドロップされると、さらに客席はヒートアップ。その名の通り唇を全面にフィーチャーしたミュージックビデオの映像が演奏にあわせバックスクリーンに流れ、会場の雰囲気はセクシーでメロウなムードに。その後ラストまで見事なステージを見せてくれた。
鳴り止まない「アンコール」の声に応え再び彼らが登場すると、まさかのあの曲のパフォーマンスも、、、感想をお届けしたいところだが、ライブの全貌はぜひ2月22日に開催される代官山UNIT追加公演で体感して欲しい。
「また必ず、もっとでっけぇところでやりてぇよ、ついてきてね」と優しく語りかけたJQの言葉が強く記憶に残っている。おそらく、今後さらに大きな箱でのステージを見せてくれるに違いない。
彼らの時代はすぐそこだ。
衣装協力 : JOURNAL STANDARD
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