＜インタビュー＞TORIENAが語る「レトロ」に終わらないレトロフューチャー

TORIENA

TORIENAの「運命の出会い」

――ミーティアでは毎回、インタビュイーの方に「運命の出会い」をお聞きしていて。TORIENAさんの「運命の出会い」を教えてください。

TORIENA：私が音楽をやろうと思ったきっかけが、偶然行ったとあるイベントで。そのイベントで受けた衝撃が「運命の出会い」です。
私は元々、絵を描くのが好きで。高校の先輩がライブドローイングをするから遊びに行こうと誘われて、行ったんです。
そのイベントはハコは大きく無かったんですけど、大きなスピーカーがあってテクノが鳴っていて。それまで、テクノは好きだったんですけどちゃんとしたライブハウスで聴いたことは無かったんです。私、ライブドローイング観に行ったはずなのに音に圧倒されちゃって（笑）。テクノを爆音で聴いた瞬間、全身に稲妻が走って！
「私はこれをするために生まれて来たんだ！」「私、テクノ作らなきゃいけない！」って感じて！「これこそが生きる意味だ！」と思ったんですよね。

――爆音のテクノを聴いた瞬間に、「テクノ作らなきゃ！」と思ったんですか？

TORIENA：なんか、「生命の根源」みたいなものを感じたんです！（音に）母胎のようなものを感じるんです。無いですか、そういう瞬間って？

――どうでしょう。それはきっと、神と同化するような感覚ですよね。

TORIENA：いま生きている、この膨大な宇宙という空間があるじゃないですか。それがこう……（笑）。「なに言ってんだ……？」って思われそうでなんか恥ずかしい……（笑）

一同：（笑）

TORIENA：宇宙が自分の中、頭の中にぎゅうっと収縮されるような感じです。「全てを理解した」、「絶対にそうだ！」（※テクノをするために生まれてきた）という確信があったんです。電子音って、人間が居ないと生まれてないものですから。自然界ではあり得ない音ですよね。それってとても人間らしいし、生命力に溢れてます。そうして「テクノ作りたい」と思って、DTMの機材を買ったんです。
チップチューンとの出会いが、第二の運命の出会いですね。
本当に（出会いは）たまたまです。大学でオリジナル音楽を作るサークルに入ったんですけど、そこで先輩が「チップチューンやろうよ」って軽いノリで話しかけてきて。チップチューンには、イベントでテクノを聴いた時と同じくらいの衝撃を受けました。
これは私の勝手な考えなんですけど、（実機から鳴る音が）まるで産声のように聞こえて。ピーピーとかそういう単純な音が、生まれたての赤ちゃんの泣く声みたいだと思ったんです。

――あどけなさのようなものを感じたんですか？

TORIENA：（手を合わせながら）尊いなあって！

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私の地元はチップチューン

TORIENA：チップチューンは相性が良かったみたいで、手に馴染んだんですよね。以前は週に三曲くらいは作っていましたし、なんだかんだでいまでも週に一曲は作ってます。（チップチューンの制作が）三大欲求の一つに入ってきちゃってるんですよ。
無いとダメなんです。「食べたい」っていうのと同じです。続けるとか、辞めるとかじゃなくて「やらないといけない」んですよ！
「TORIENA、最近チップチューンやってないじゃないか。DTMとかやってさ！」って言われちゃいそうですけど、私にとってチップチューンは「母」なんです。皆、地元ってありますよね。私の地元はチップチューンなんです！

一同：（笑）

TORIENA：地元から出て、色々経験して、また地元に帰っても良いじゃないですか！「私の地元はチップチューン！チップチューンって最高なんだぜ！」ってことを言い続けて、「え？そこってどんなところ？ちょっと行ってみたいな~」って色んな人に思ってもらえるようにしたいですね。
いまはチップチューンという地元から、ちょっと離れて勉強している途中なんですけど「地元（※チップチューン）最高！」って思い続けているというのだけは分かってほしいですね。

――2月25日に初となるワンマンライブを控えられてます。最後に意気込みを教えてください。

TORIENA：チップチューンと出会ってから5年が経つんですけど、この5年の間に色々なことや気付きがありました。変化や成長もあって。
この5年に起きたことで、後悔しているものは一つも無くて。全て必然だったと思ってます。そういうことがあったからこそ、いまの私があると思ってて。
昔から私の音楽を好きだって言ってくれてる方には（今回のワンマンで）変化が垣間見えつつも、（芯の部分は）「変わってないな」と思ってもらえると思います。
新しく興味を持ってくれた方にもいまの私と、ちょっと昔の私の雰囲気の違いのようなものを感じ取りつつ、楽しんでもらいたいです。
ここからスタートになるようなライブにしたいので、その現場に立ち会ってほしいです！